現代では人生の羅針盤を持つことが大切で、それを創り出していく教育が必要
現代のグローバルな市場原理に拠った資本主義の下では、皆が共通して持つ枠組みみたいなものはなくなってしまいました。
成功したい人は成功すればいいし、そこそこの生活を楽しみたい人はそれでもいい、家族を持つのも持たないのも、都会でも田舎でも、転職してもしなくても、そもそも会社に入らなくても、それは個人の自由だ、ということです。
しかし、こうした新自由主義に基づくグローバル資本主義は、集団の枠組みを分断し、自己責任化された枠組みを個人に要求するようになりました(つけ加えて、富の集中と、格差と貧困も)。
良い悪いは別として、結果としてそうなってしまったというべきでしょうか。
同じ空間にいながら各々がバラバラに自分の好きな時間を過ごすように、社会の中で、個人は自分の好きな枠組みの中で生きていけるようになったのだと思います。
しかし、このように個人が分断され、共通の理想像みたいなものがなくなると、個人は非常に生きづらさを抱えると思います。
なぜならば、進むべき指針がないと生きるのが難しいからです。
そうであるならば、その指針を自分で作らなければいけないんだと思います。人生の羅針盤とでも言えるような。
個々人がそれぞれの枠組みの中で生きるようになったからこそ、今まで以上に、自分の羅針盤をしっかりと持つことが大切であると思うのです。
例えば、私が職業を考える際に大切にしたのは、
本が好き
受験で成長できた経験と教わった先生への感謝
人の役に立ちたい
ということです。
読書をして、思考を重ねてきた経験と、受験を通して成長できた経験を土台に、人の役に立てる仕事に就こうと考えたわけです。
そして、自分の経験とスキルを高めて、人の役に立つんだということが、自分の羅針盤となっているわけです。
もう一度言うと、個々人がそれぞれの枠組みの中で生きるようになったからには、今まで以上に、自分の羅針盤をしっかりと持つことが大切であり、それがないと、生きるのが難しいと思います。
そして、その羅針盤はだれかが与えてはくれません。手に入れることは、自分しかできません。
個人それぞれが問い、学んで、答えを出し、納得のいく羅針盤を持つ。
これはこのまま、教育の変革の流れに当てはまっていきます。
用意された答えを求める教育ではなく、自らの答えを、探究して、創り出していく教育。
これが、今の時代には必要なわけです。
自分の羅針盤を意識しておくと、行動や判断に迷いがなくなっていきます。
過去からどう今に至って、未来はどうしていくか。
自分の羅針盤を探す作業をしっかり行って、不確定な時代を生きることを意識してほしいと思います。
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