現場を育てる
コロナからはじまり、海上輸送の乱れ、半導体の影響でバラつき続けるオーダーなどであいかわらず厳しい環境です。
ですが、外部環境に文句を言っていても始まりません。
私たちは、こんな時こそ内部環境を整えて、体力をつけていくことが大切です。
センターに伺うとよく聞くことがあります。
物流センターの作業者一人当たりの生産性を高め、モチベーションを高めていくんだ!…と声高々に掲げます。
でも気がつくと空回りしていませんか?
声は上げ、言葉は変えていますが、言っている内容とやっていることはこれまでと同じではありませんか?
物流センターのメンバーは共感できていますか?
リーダーが相手にやらせる事ばかりを考えて、自らがやる事を考えていないからです。
『俺は指示を出すから、お前たちは考えて実行しろ!』
…間違ってはいません。でも言いっぱなしになっていませんか?
「変えよう」とせず、「変わろう」としていないのです。
視点も働きかけも、これまでと本質的に同じことをしているのです。
「同じことをやっていて、これまでと違う良い成果を求めることが間違っています。」
社会構造も価値観も多様化し、変わってきているのです。
今やるべきことは、2つです。
一つ目は『作業品質を高めること』です。
物流業務の付加価値である「作業品質」を高めていくということです。
いくら売り上げを上げることに躍起になっても、付加価値である「作業品質」が確保できていなければその物流センターは消えていきます。
そんなところに仕事は頼みたくないのです。
生産性を追求しても品質が悪化していてはいけないのです。
安全意識が高く、危険予知感性が高い職場ではで事故がなく、すみやかに確かな仕事をする職場にはミスがありません。ミスなく、安心して任せられるところに仕事は寄ってきます。
例えば、注文したケーキが届いた時に崩れていた。次もそこで頼みますか?
二つ目は『継続的に改善する』です。
いかに作業を効率化して生産性を上げるかです。
人も設備もスペースも物流センターのリソースを最大活用することです。
まだまだ気づいていない「モノ」はあると思いますよ。
改善を進めるポイントは別で話します。
大切なことは『お客様に喜んでいただく』です。
どんなに荷物を捌いて、運んでも、それだけでお客様が喜んでいただける時代ではありません。
簡単に注文ができて、すぐ届くというものも「届いたら壊れていた」ではダメです。
DX物流によりシステムで常に在庫管理ができていて、注文も24Hタイムリーに受け、最先端のマテハン設備で確かな素早い仕分けにより、短いリードタイムで確実にお客様に届けられる。
全ての物流がそうであれば良いかもしれませんが、お客様が発注をしてお客様に物を届けるまでのサプライチェーンの中では、まだまだ多くの人の手によって成り立っている部分があります。
物流は、携わっていただいている多くの人で成り立っているのです。
物流の仕事は人材育成で成果がかわります。
「お客様に喜んでいただく」「お客様に満足していただく」という言葉の深い意味を理解し、共感していくことが物流センターの質を高め、成長させていくことになるのです。
そうなれば、仕事が寄ってきて売り上げが上がり、仕事を工夫して作業品質と生産性が高まっていきます。
ここを表面的に捉えるか、しっかりと向き合い掘り下げるかで大きく成果が分かれます。
物流現場では畑(物流現場)を耕し、
種(物流に携わる人)に水をやり、期待してくれているお客様の思いというお日様を当て、肥料(知識や経験、共感=物流品質/付加価値)を与え、
大きな実、みんなが美味しいといえる実(お客様の満足=次も頼みたいという欲求)に育てていくことを大切に取り組み続けられるように、物流現場における仕組みづくりが必要です。
この変化が多い時代だからこそ、あらためて考え、見つめなおして、原点から再構築していくことが今後につながる大きな一手になっていくと思います。