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実話怪談「赤い頭巾」

今から約20年前に遡る。 私はやや不登校気味な小学生であった。 外出はあまりせず、家の自室に引き篭もり絵を描くのが好きだった。毎日時間が過ぎるのも忘れるくらいに描画に没頭していた。両親は共働きで、互いに話し合う時間もなく、すれ違いの毎日からか頻繁に夫婦喧嘩を起こしていた。 私が夜中に寝ている時にも関わらず、リビングの方からは両者の怒号と叫び声が聴こえてくる。いつも決まって夫婦喧嘩の最後は、母がリビングの隅で目を赤く充血させて啜り泣く声だけが室内を木霊していた。そのせいで私

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