会えるかも、という淡い思い
私の叔母の元旦那さん(以下:Sさん)はベトナムのフエの方であった。私がSさんに会ったのは恐らく生後3,4か月の赤ん坊の頃である。その後すぐに離婚しているので、顔どころか名前も最近まで知らなかった。
私の中でSさんは謎のベールに包まれているのだが、同時に心惹かれる人物であった。特にベトナム語の勉強を始めた高校生の頃から、Sさんへの興味は増し、会ってみたいという気持ちが大きくなっていった。
20年ほど前にどのように叔母とフエで出会ったのか、日本に来てどのように感じたのか、今どこで何をしているのか…
叔母はSさんと離婚後、2回もの離婚を経て、絶縁に近い形で九州に嫁いでいった。正直、Sさんが離婚・帰国に至った理由は、見当はついている。
Sさんは叔母と結婚した過去を帳消しにしたいと思っている可能性が高いわけで、叔母の身内である私にも会いたくないかもしれない。だから、このまま心の中で思うに留めた方がいいだろう…と長らく思っていたところ、事態が進展した。今年頭、Sさん夫婦が経営しているホテルがわかったのだ。
ホテルの場所を知ってから今まで、はやる心を抑えてきた。下の子がしっかりしてきたので、11月にフエへの家族旅行を計画している。ホテルはSさんのホテルに泊まる予定だ。自分の身の上を明かすなんて野暮ことはせず、あくまでいち観光客としてSさん夫婦に会えるものなら本望である。
追伸.
書きたくないこと、書けない部分を端折ってしまったので、大分簡潔になってしまった。私は結婚後も苗字を変えていないので、ホテル予約時点でSさん夫婦にバレなければいいな、などと色々考えているが、そもそもSさん夫婦に会えない可能性も勿論あるわけである。私の10年来の夢が叶うかどうかは、神様のさじ加減である…
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