見出し画像

ベトナム人義母とのレベル別エピ~Sushiから髪の毛事件まで~

 同居しているベトナム人義母(51)の忘れられないエピソードをレベル別に書く。


レベル1 輸入フルーツの名前が言えない

 長女のニックネームであるキウイをキヴィヴィと呼んでいたし、チェリーをチャネルと今も呼んでいる。最初はKIWIも”KIVVI”と書いていた。(たしかにWはベトナム語で”V kép(ダブルV)”というが。) お義母さんが若い頃には見たことも聞いたこともなかった輸入フルーツの名前は確かに覚えにくいかもしれない。同じ世代のおばさんも未だにキウィウィとか言ってるのでお義母さんだけの問題ではないのだけど、日本の50代では有り得ないよなーと、ちょっと面白く思っている。ちなみにチェリーは言っても直らない。

レベル2 寿司屋を日本大使館だと思う

 最初に申しておくが、義母はベトナム国外に出たことがないし、生まれときからずっと地元に住んでいる。数年前、娘の日本パスポートを受け取りに、母娘2人+お義父さんでハノイへ。娘初ハノイ進出記念ということで、合流した夫の姉が撮ってくれた写真の背景がたまたま寿司屋だった。後日その写真を見た義母、”TOKYO”と書いてたので日本大使館だと勘違い。「これが日本大使館ね!」。お義母さんSUSHIは食べ物だよ、日本のものではあるけど。私がそう言ったら、「私行ったことないから知るわけないじゃない!」と照れ隠し(?)していた。ちなみに「知らない」はお義母さんの言い訳の常套句である。

お義母さんは英語を知らないので、レストランの文字が読めかった。

レベル3 カレールーをチョコレートだと思って齧る

 私が作ろうと思って置いていたバーモンドカレーのルーを私が見ていないときに勝手に開け、かじっていた。私が現れると、"こんなしょっぱいチョコレート食べられないよ!孫(私の長女)にあげようと思ったのに!"と。カレールーを見ると、結構大口でいってた。いやー。何も言わなかった私も悪いけど、せめて食べる前に一言言ってくれたらよかったのに…。てかパックを開けたときに匂いでわからんかね?かじられたカレールーもビックリしただろうに。今度から※チョコレートではありませんのでかじらないで下さい、の文言を追加してやってください、ハウス食品さん…。

でもリンゴと蜂蜜でちょっと甘そうに見える!!!!!

レベル4 孫を洗剤で洗う

 次女生後4か月で私が復職した時のこと。いつもは私が沐浴するのに、時短勤務が終わり帰宅すると、なぜかその日はお義母さんが沐浴させていた。ちゃんと沐浴できたか聞いたら、「すごくお利口さんだったよ!でもボディーソープを随分探したよ。」とお義母さんが言ったので違和感。ん?ボディーソープはすぐに使えるようにお風呂場の床に置いていたのだが…。お義母さんを問い詰めると、棚の上に置いていた哺乳瓶用洗剤で孫の全身を洗っていたことが判明。お義母さんの弁解:「床に置いてあるなんて知らなかった。日本の物は安全なんでしょ?洗剤に日本語が書いてあったから使ったのよ!」。ええ、日本のものは安全です、正しい使い方をすればね。次女は発疹がすこーし出ただけだったので、大事には至らなかった。よかった。

こちらで孫を丸洗い。

レベル5 お義母さんの髪を咀嚼して乳腺炎を治す

 長女出産後、お乳が詰まってしまい、高熱と悪寒で動けなくなった私。隣の集落に乳腺炎専門の家伝民間療法をやってくれるご家庭があるということで、お義母さんと行くことになった。(病院に行ったら薬を処方されてしまう。授乳中に薬は毒だ!というお義母さんのポリシーがあったため、ここで病院に行かないところが何ともベトナムらしい。)
 熱にうなされながらもその家庭に到着、ご主人が私の病状を聞くのもそこそこに、棚から何やら薬草の塊を取り出した。そして、同行していたお義母さんに近づくと、無言でお義母さんの頭頂部から髪を10本ほど抜き取ったのだ。私もお義母さんも『??』だったのだが、ご主人はそのまま髪の毛を薬草の塊に縛り付け、これを30分間ほど噛み続けろという。私は薬草より髪の毛の方が気になり、噛み始めてすぐに吐きそうになったが、根性で嚙み続けた。結果、すっかり乳腺炎が治ってしまったのである。お義母さんの髪の毛を使用した経緯は、呪い(まじない)的な何かだったのか、ただ単に紐の代用なのか不明だが、ベトナム人義母の髪の毛を30分咀嚼した日本人嫁なんて、結構レアじゃないかと自負している。

 お義母さんは私の母と3,4歳しか違わないのだが、価値観や知見の範囲の差を事あるごとに感じ、これが生まれた国や環境の違いなんだなぁとしみじみする。だが、生えている草木の効能や鶏のさばき方、病気になったときにやったらいいことなど、私の母が知らない生活の知恵をお義母さんはたくさん知っている。時々言い合いもするが、外国人嫁と同居しているお義母さんには、日頃からお世話になっているのも事実。これからも嫁として、お義母さんの色んな忘れられないエピソードや瞬間を目撃していきたい。

追伸.
お義母さんは謝らない。


いいなと思ったら応援しよう!