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料理を一切しない夫が鍋を出汁から作るくらい料理しだすまで③

前回の続きです。


私の料理が上達してきていても、
夫は料理をしなかった。

それでも共働きフルタイムワーカーの私達は、週末にまとめて買い物に行くことも多く、夫も一緒に行き、買い出しを経験させた。

私が本格的に仕事を始め、仕事で遅くなる時は
19時に保育園にお迎えに行くこともあった。
夫は仕事が忙しくなり、朝早くから夜残業をして帰る日々。

そこから食事を作り、子ども達に食べさせて、
お風呂に入って、寝かせる。
気づけばすぐに22時になってしまう。
時間との勝負だ。

夫が仕事が忙しいときは、それをひとりでしていた。

夫が21時近くに帰ってくると、
寝かしつけようとした子ども達が目覚めてしまったことも多々。

夫に申し訳ないが、邪魔なのでもう少し遅く帰って来てくれないかと思っていた。

そんな生活をしていたら、
私は夫のことを
ただの同居人としか思えなくなり、
夫が帰って来たら、洗わないといけない弁当の殻や洗濯物を持ってくるので、
「ゴミを持って来る人」としか思えなかった。

夫は家にいないため、私が洗濯、掃除、料理、皿洗い全てをしていた。夫は仕事から帰って来て疲れたからと何もしようともしなかった。1人遅くに食べた皿さえ片付けなかった。

家庭の雰囲気は最悪で、
私も不機嫌な態度を出していた。
夫の無神経さに腹が立ち、
子ども達の前で喧嘩をする回数も増えた。

離婚するか結婚生活を続けるかは
紙一重の差だと思っていた。

ある日、冗談のように洗い物をしながら、
夫に正直に伝えた。

ただの同居人としか思えないこと。
ゴミを運んで来る人としか思えないこと。
この生活が続くのは、
第一に子ども達のためではないと。
仕事も私だってもっとやりたいし、
スキルを上げたいけれども
それが出来る環境でもないこと。
私があなたに求めていることは、
食べた皿を流しに持って行く。
たったそれだけ、それすらもしてくれない、と。

そこから夫は少しずつ変わっていった。
食べた皿を流しに持っていくようになったし、脱いだ服を洗濯機に入れるようになった。

夫は、仕事をなるべく早く終わらせて帰って来るように、努力していた。
上司に働き方を相談し仕事内容を調整してくれ、早く帰りやすいようにしてもらった。

そうすることで夫が保育園のお迎えに行けるようになった。
私が仕事で遅くなるときは、夫が子ども達を迎えに行ってもらう。
それが出来るから、私も仕事が出来て、スキルアップに繋がった。

最初は、料理が出来ない夫は、スーパーで惣菜を買って子ども達と食事をしていた。

私は、夫に、料理準備してくれて助かったということを言葉にする。味に関してダメ出しは決してしないようにしていた。

保育園からお迎えに行った帰りにスーパーに寄って食材を買って来て
ご飯を食べさせることに慣れた夫。
ある日、鍋ラーメンの具材と市販の鍋のスープを買って作った鍋ラーメンを子ども達に食べさせた。

夫は包丁が使えなかったので、ハサミで具材を切って、鍋の元スープに入れて煮ていた。白菜は葉のところだけハサミで切断して、半分は捨てられていた。笑

そんな鍋が子ども達のなかでバカウケ。
とても喜んでおかわりして食べてくれた。

それがきっかけとなり、
夫が料理をするようになったのだ。

夫的には、
自分の納得いく鍋の味では無かったらしく、
鍋の出汁はどうやって作るのか聞いてきた。
そこで、私は出汁の取り方を教えてみた。

すると、次は夫が鍋を出汁から作りだした。

なので、
夫は子ども達のお陰で夫が変わったのかもしれない。笑

私も夫のことをただのゴミを運んで来る人だとは思わなくなり、今は人生を一緒に歩む大切なパートナーになった。


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