「石焼きビビンバ」
石焼きビビンバは
黒い黒い器の中で永遠に続いていたんだ
ほうれん草がぐにゃぐにゃゆがんで
三色のナムル
黄金色の卵の上に
げえっと吐いてしまいそうだった
(もう笑ってはいけないってことを?
話してはいけないってことを?)
ずっと払っているみたいだ
ないものに、
わたしが、
ずっと
吐いたなら
人が来るだろう
人前で嘔吐することは
恥ずかしいことだってみんなが言っていた
「あなたが食べ始めたものを食べ終わらないのは恥ずかしいことで、一度食べ始めたなら幸福なことで、美味しそうに食べていることは素晴らしいことで、あなたは嬉しそうなあなたの写真をそこらじゅうにあげて、はい美味しいですというのがあなたの答えだ」
わたしは
白いごはんを匙にすくって
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、
ゆっくり
咀嚼を
言い聞かせた
栄養は
すっかり絞まった喉を
ぎりぎりと通り抜けて
ただ
わたしを太らせていた