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福井の治水と電力を担う 九頭竜ダム (大野市) vol.81
こんにちはKURO chanです!
奥越最奥部の大野市和泉地区にある
九頭竜ダムは福井県内最大の貯水量を持つ
九頭竜川のダムです。
稲作地帯の福井平野を
水害からも守る役割を果たしています!
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昭和34年(1959)8月の台風7号、
同年9月の伊勢湾台風と呼ばれる台風15号の
大洪水により付近は甚大な被害を受けました。
これをきっかけにして
九頭竜川の治水計画が見直され、
奥越電源開発計画として
昭和35年(1960)12月に
九頭竜川上流は複数のダムによって水量の調節を
行うことが決まりました。
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九頭竜ダムはその要として
旧大野郡和泉村長野(現:大野市長野)に
ダム機能と発電所を備えた施設として
整備されました。
昭和37年(1962)着工、
昭和42年(1963)12月竣工です。
「ロックフィルダム」と呼ばれ、
付近から採った
豊富な土と岩を利用して作られました。
調査から完成までに8年を費やし、
岩場を発破するのに200tのダイナマイト、
輸送には最先端の技術がある建設機械が導入され、
当時の一大プロジェクトとなりました。
当時の建設工事の凄まじさが感じられます!
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ダムの高さは128m、長さ335mです。
県内で1番高い
ザ・福井タワーの高さぐらいあるとは
かなり迫力がありますね!
ダム湖の総貯水量は
東京ドーム約27個分に相当する
3億5300万㎥です。
国内のダムでは6位、
ロックフィルダムでは3位の貯水量を誇ります。
ダムの真下には長野発電所があり
最大出力22.0万kwの電力が賄われています。
すぐ下流の鷲ダムを利用して
電気を利用しない夜間に
九頭竜ダムに水を汲み上げて戻す
「揚水発電」を行っています。
水資源を最大限に利用する工夫をしており、
1年間で約10万軒分の発電ができます。
九頭竜ダム建設により
付近の旧大野郡和泉村(現:大野市)
上半原、下半原、荷暮、池ヶ島、箱ヶ瀬、
大谷、野尻、影路、米俵、長野、鷲の11集落が
九頭竜湖に沈みました。
これらの住民は昭和39年(1964)秋に
愛知県や岐阜県を中心に移住しました。
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昭和40年(1965)に
久沢、伊勢の2集落
昭和41年(1966)に
東市布、三面、小谷堂の
3集落が離村となりました。
古来から先祖代々住み続けていた
ふるさとを土地を失ったのです。
当時ダムの建設工事に従事した方々の労苦と
日々ダムを昼夜安全に管理している方の
恩恵で水害から守られていること
福井平野の水害から守ることの代わりに
先祖代々のふるさとを離れることになった
和泉村の人々が居たことを
私たちは忘れてはならないと思います。
それぞれの立場があり
様々な思いが重なった場所であると感じました。
[出典]
国土交通省近畿地方整備局 九頭竜川ダム統合管理事務所・九頭竜ダム管理支所
九頭竜川水系九頭竜ダム パンフレット 2018.3
角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典 18福井県』[地誌編 和泉村] 1989
●九頭竜ダム
大野市長野33
本日も読んで頂きありがとうございました!