現代思想文庫①「焼酎交換と死」
木下又一郎が死んだ。高校の同級生だった。享年48歳。肝硬変の末期で、肺炎を併発して死んだ。
通夜に行くと、同じく同級生の佐高邦夫が来ていた。俺たち3人は高校を出てからも、年に数回は一緒に酒を飲みにいく仲だった。もっとも木下が2年前に肝臓を壊してからは、その飲み会も途絶えていたが。木下の奥さんから、よかったら今夜一晩あの人と一緒に、と懇願され、夜伽をすることになった。
佐高と二人、座敷のすみでちびちびと温くなったビールを飲みながら、ひとしきり木下の思い出話をし、他の同級生の消息