恋とはつまり「トキメキは借金、待っているのはネガティブという名の返済地獄」だと思う、という話。
最近、恋してます?
あ、もう思春期の子供がいてもおかしくないような歳の行き遅れに急にそんなこと聞かれても、戸惑いますよね。ええ、もちろん恋することに年齢制限はないですけど。え? 私ですか? そりゃあもちろんしてませんよ、恋なんて。
実は私、恋する気持ちについて、ちょっと前に気が付いちゃったことがあるんですよ。今日はちょっとそのことについてお話ししたいと思うんです。
恋するって、楽しいですよね。毎日ウキウキしちゃうし、なんだか優しい気持ちになる。流行歌風に言えば、白黒だった世界に色がついた、みたいな感じですかね。
だから、恋をするといつも思うんです。恋をしていなかったときの私の人生って、とっても退屈だったなって。
でも、恋をしているときって、いいことばかりじゃないんですよね。ちょっとしたことで幸せを感じるのと同じように、つまらないことで落ち込んだりもする。そして何よりも、残念な結果に終わったときの辛さと言ったら筆舌に尽くしがたい。
だから、恋が上手くいかなかった時はいつも思うんです。恋さえしていなければ、こんなにしんどい思いをせずに済んだのに、って。
恋をすると確かに楽しくなるけれど、ちょいちょい不安や嫉妬やらで辛くなるし、バッドエンドになればドーンと落ち込む。そこで私、考えたんです。恋によって生まれるポジティブな感情とネガティブな感情って、実は同じくらいの量なんじゃないかって。感情をお金に例えると、決められた額で堅実に生活をしているのが恋をしていない状態、借金をして豪遊し、その後ヒーヒー言いながら返済するのが恋をしている状態。つまりはそういうことなのではないでしょうか。
ということは、少なくとも「恋をした方が人生を楽しめてお得」ということは全然なくて、恋をしようがしまいが収支的には全く変わらないことになります。しかも、大概恋をしているときの感情の順番は「ポジティブからネガティブ」になるわけで、甘いものを食べた後に辛いものを口にすると刺激が倍増するのと同じ状態で「恋なんかするんじゃなかった。そうすればこんなにつらい思いなどせずにすんだのに」などと後悔する羽目になるわけです。
というわけで、トキメキは借金、待っているのはネガティブという名の返済地獄。恋なんてずいぶんご無沙汰という、私のような人生を送っている方でも、人生において何一つ損はしていないから大丈夫、というのが今回の結論です。
ただ、この説の弱いところは、私自身が「今までの恋完敗中」であるということ。ネガティブ以上のポジティブを与えてくれる恋もこの世に存在する可能性は、少なくとも私には否定できないわけで……。
そんなそんな、私の人生ばっかり呪われているみたいな、そんな話あるはずがない。ない、ですよね?
え……、ない、ですよね?