道成寺スピカ

子なし行き遅れ、将来を嘱望されないタイプの万年平社員。みんなが羨むようなものは何ひとつ持ってはいないけれど、なぜか毎日ご機嫌に暮らしています。丁寧な暮らしとはほど遠い、雑な毎日。だけど本人が幸せならば、それでいいじゃない。みんな私みたいにテキトーに生きればいいのに。

道成寺スピカ

子なし行き遅れ、将来を嘱望されないタイプの万年平社員。みんなが羨むようなものは何ひとつ持ってはいないけれど、なぜか毎日ご機嫌に暮らしています。丁寧な暮らしとはほど遠い、雑な毎日。だけど本人が幸せならば、それでいいじゃない。みんな私みたいにテキトーに生きればいいのに。

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  • 雑な日常の雑な4コマ日記

    雑に暮らす雑な女の雑な4コマ日記です。

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イカの天ぷらについての一考察あるいは読む価値のない話題について

 人に話すほどのことではない、という枕詞を耳にすることは多々あれど、これほど人に話すほどのことではない話はなかなかないと思う。イカの天ぷらって、消しゴムでも行けるんじゃないかと思うんだけれど、どう思う?  私はイカが好きだ。数多ある魚介類の中でもイカがいちばん好き、というわけではなく、ウニやトロ、イクラなど高価なラインナップが上位を占める「私の好きな魚介類ランキング」ではいささか低い順位にあるけれど、比較的好きな方である。  しかし、数あるイカメニューの中でも、イカの良さを出

    • 「君と好きな人が百年続きますように」の境地に辿り着いた話

      「君と好きな人が百年続きますように」  言わずと知れた、一青窈の超名曲「ハナミズキ」の一節である。この曲が時を重ねても変わらず歌い継がれているのは、この一節が多くの人々の心を掴むからだろう。しかし、初めてこの曲を聴いたとき、私は思った。 「いやいや、そんなわけないでしょう」  だって「君と好きな人」の「好きな人」って、強力な恋のライバルじゃん。しかも、すでに君はその人を好きなわけで、それって私はもうチャンスがないってことじゃん。なんで振られた相手とそいつが選んだ女の幸せ

      • 映画館で朝食を(「映画館でポップコーンを食べながら映画を観る」という夢を叶えた私のその後の物語)

        これまでのあらすじ  無駄に長年抱き続けて来た夢、「映画を観ながらポップコーンを食べる」を叶えるため、映画を観に行った私。意気揚々と売店にてポップコーンとコーラを購入するも、一人で食べるには大きすぎて、無念にもポップコーンに敗北を喫することとなった。  敗北の塩トリュフ味を口一杯に頬張りながら私はこう誓った「次はホットドッグを食べてみよう。ホットドッグならば食べきれるだろうし」。  それから数週間後のある三連休、何の予定もない私は映画館に行くことを思いついた。早速上映作品を

        • 感想「侍タイムスリッパー」

          【観ることにしたきっかけ】  ネットでこの映画が話題になっていること、さらに「カメラを止めるな!の再来となるか」という記事を読み、興味を持ったので観ることにした。そう、私は話題のものにすぐに食いつくタイプ。ちなみに同じ流れで「カメラを止めるな!」も観ている。 【感想】  低予算で上映館数が限られていたのに人気に火がついて全国で上映、ということと、無名の監督による低予算の映画、というところが「カメ止め」に似ているという話で、それ以外に共通点は見られなかった(もちろんだから良い

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          18本

        記事

          (読んでみた)心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学ニック・チェイター 講談社選書メチエ

           【読むことにしたきっかけ】  Amazonが私の検索、購入履歴に紐づいてお勧めしてきた。レビューの数と星が多かったのと、「無意識の思考など存在せず、心は表面だけしかない」という説明に惹かれて購入。 【感想】  正直に言います。難しくて読みにくい。著者や訳者が悪いわけではなく、この手の本は読みにくくなることが多い。もちろん内容が難しいこともあるのだが、表現が遠回りなのと、内容があまりかみ砕かれていないことがその原因だと思う。もしも書店で出会っていたら、ちょっと試し読みをして

          (読んでみた)心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学ニック・チェイター 講談社選書メチエ

          神社の石段

           私の住む街の中心部には大きな神社がある。週に一度、出勤途中に運動を兼ねて参拝をするのだが、大通りに面した鳥居の先に伸びる石段はなかなかの長さで、最初の一歩を踏み出すのには少し勇気がいる。一度登り始めたら登り切るしかないからだ。  神社の石段の多くがそうであるように、この神社に石段にも中ほどより少し上のところに平坦な部分があり、一休みできるようになっている。しかしそこで一息入れずに一気に登り切るのが私の流儀だ。  平坦な部分を超えてからはとにかくきつい。息は切れるし足はジ

          人生初の「ひとりでギャラリー訪問」をした話(ギャラリーが何なのかよくわからないけど思い切って入ってみた)

           さかのぼること二日前、昼休みに職場を抜けてコンビニに行った際、住宅密集地の塀にギャラリーの案内看板を見つけた。そう言えばこの辺にそういうものがあるとは知っていたが、こんな近くにあったのかと思って眺めていたところ、出展者一覧の中に、私が気になっている陶芸家の名前を見つけた。これはぜひ見てみたい。しかしギャラリーなんてほとんど行ったことがないし、そもそもギャラリーが一体何なのかすらよくわからない。 そんな時頼りになるのがスマートフォンだ。ということで調べてみたところ、どうやら無

          人生初の「ひとりでギャラリー訪問」をした話(ギャラリーが何なのかよくわからないけど思い切って入ってみた)

          四十代非モテ非バリキャリ女子のある日の「ご褒美午後休」について

          【プロローグ】  その日私は午後から休みを取った。私の会社には午前休、午後休の制度があり、午後休の場合は通常通り出勤し、正午になったら自席で昼食を広げる同僚を横目に「あら、みなさん午後も労働されるんですの? なんてお気の毒に。わたくしはもう今日はおしまいですのよ、ホホホ」などと「パンがなければケーキを食べれば良いのに」的な風を吹かせながら荷物をまとめて颯爽と職場を去る、という流れになる。一日休みももちろん嬉しいのだが、午後休は「さっきまでみんなと一緒に働いていたのに、自分だけ

          四十代非モテ非バリキャリ女子のある日の「ご褒美午後休」について

          「初年度」に呪われている私が八年振りの「初年度」を迎えた今年、残り六か月を棄てる決意をした話

           どうも調子が良くない。  幸い、身体の話ではない。仕事の調子が良くない。正確には、仕事が全然出来ないのだ。物理的にではない、能力的な話である。なにせ八年ぶりの職場異動。仕事内容も一から、職場のルールも一から。これまでやってきた仕事の常識がほぼ通用しないところで働き始めて早六か月。そろそろ慣れても良い頃なのに、まったく慣れることなくいたずらに時だけが過ぎた。いや、人間関係はそこそこ慣れてきた、と思う。問題は仕事そのものだ。  誤解のないよう断っておくが、そもそも私は今の会

          「初年度」に呪われている私が八年振りの「初年度」を迎えた今年、残り六か月を棄てる決意をした話

          虚空に負けた日

           雨の日曜日。私は空とにらめっこしながら家を出た。台風の影響か、晴れて暑くなったと思ったら急に雨が降ってくる、といった不安定な天気の一日だった。おかげで私は週末の習慣としている散歩に行けぬまま、夕方を迎えたのである。  三時過ぎに降り出した雨はひと段落着いたようだ。私は折りたたみ傘をカバンに忍ばせ、湿ったコンクリートの上をずんずん歩き始める。まもなく、赤ちゃんを抱いた見知らぬ若いパパが道路に出て赤ちゃんをあやしているのが見えた。  こんな天気だ、赤ちゃんも一日中家の中でさぞ

          虚空に負けた日

          (読んでみた)『行動経済学が最強の学問である』(相良奈美香著 SBクリエイティブ株式会社)

           行動経済学という学問が何となく流行ってきている、というよりもその地位を確立しつつある(つまりは「今、来てるっぽい」)という認識があったため、改めておさえておこうと思って本書を購入した。本の選び方って割と人柄が出ると思うのだけれど、私のこういう選び方って本当に感じが悪いと思う。実際の私はそんなに感じが悪くないんだけどな、たぶん。  数ある行動経済学の本の中から本書を選んだのは、個人的に相性が良いと思っている書店でおすすめしていたから。  活字中毒の人ならば分かると思うけれど

          (読んでみた)『行動経済学が最強の学問である』(相良奈美香著 SBクリエイティブ株式会社)

          「朝日のような夕日をつれて」感想(東京公演)

           最初に自慢をしますが、私は前回の「朝日のような夕日をつれて」も観劇している。前々回の上演も観ている気がするのだけれど、ちょっと昔すぎてあまり自信がない。何が言いたいかと言うと、純粋にただの自慢です。すごいでしょう。  というわけでこの界隈の芝居好きならばもはや古典の「朝日のような夕日をつれて」(以下「朝日」)。実はコロナ禍でしばらく芝居を観に行くことを我慢していたのだが、生粋の鴻上さんファンである私、「朝日」をやるならば観に行かなくちゃ申し訳ないでしょうということで、誰に

          「朝日のような夕日をつれて」感想(東京公演)

          45歳行き遅れが「行方不明展」を観てきたよ(感想)

          【会場に入るまで】  令和6年8月20日火曜日午前、日本橋の会場に到着。インフルエンサーを生業としたイケてる若者たち(個人の予想です)がどんどん小さなビルに吸い込まれていったので、すぐに会場が分かった。前売り券を購入できなかったものの、平日の昼間であれば当日券があるだろうと楽観的に考えていたが、それは半分正解で半分外れていた。確かに当日券はあった。しかし入り口までは長い列ができていたのだ。「こんな時間にこんなところに来られるなんて、みんな何の仕事をしているのだろう。あっ、イン

          45歳行き遅れが「行方不明展」を観てきたよ(感想)

          世界線という概念は時に私の心を救う、という話

           世界線という言葉を知ったのは、実はごく最近のことだ。スマホをいじっているときに何かの拍子でその言葉が出てきたので、そのまま検索したというわけだ。  その時に私が理解した「世界線」の意味は、「人生の分かれ道のような場面で、選ばなかった、または選べなかった方の人生も、自分があずかり知らぬところで続いている」というものだ。改めて検索すると世界線という概念自体は元々あり、そこから派生した様々な解釈があるようなので、私の理解はおそらく大きく外れてはいないけれど、主流ではないかもしれ

          世界線という概念は時に私の心を救う、という話

          【映画素人による感想】映画『ザ・ウォッチャーズ』(ハマらなかったタイプ)

          【観ることにしたきっかけ】 ・    近くのシネコンでちょうどよい時間に上映していたから。実は他に目的があったため、積極的に作品を選んだわけではない。そのため、この映画にかかわった人達を誰も知らない(そもそも映画に全く詳しくない)。 ・    ただ、いちおう他の人のレビューはチェックした。「後半で伏線が回収されていく」的な書き込みがあったので、面白そうかな、と思った。一方で「自分には刺さらなかった」という書き込みもあったため、過度な期待はしないことにした。 【感想】  一言

          【映画素人による感想】映画『ザ・ウォッチャーズ』(ハマらなかったタイプ)

          「ポップコーンを食べながら映画を観る」という夢を叶えるために映画館に行って絶望した話

           それは私の長年の夢だった、といっても過言ではない。  いや、さすがにそれは言い過ぎた。だが私は長い間、といってもせいぜい数か月のことだが、あることをしてみたくてうずうずしていた。それは「ポップコーンを食べながら映画館で映画を観る」ことである。  先に断っておくけれど、(おそらく)お見込みのとおり、私はあまり映画館に行く方ではない。直近で観た映画は「名探偵コナン劇場版」だし、その前に観たのも「名探偵コナン劇場版」だ。つまりは名探偵コナン好きであるとともに、私にとっての映画

          「ポップコーンを食べながら映画を観る」という夢を叶えるために映画館に行って絶望した話