杪秋に感じる匂いが 頬に伝う涙を攫う 去った影を朧気に見つけ 飾った口先で懇望する 二度と戻らぬ蜜月に 全てを寄せて影を想う
ふと、目が覚める 夏の夜 蟲の声が 響き渡る 何も変わらぬ 何時も夜? 何かが変わる 何時も夜? 蟲の声が なきやんだ
お天道様の 下で見た 君の影が 懐かしく 此処へ彼処へ何処へでも 闇夜に探す 君の影
月明かりすら 届かぬ部屋で 私の夜は 流れてく 誰にも理解らぬ 私の世界 たった一部屋で 終わるほど 小さな夜だと 思うまい それでも私は流れてく 過ぎ去り夜が 流れてく