『私とは何か？』で世の中を暴れ尽くせ。

越えたかった父親の運転する車窓から、帷の降りた遠い街並みを見る。チカチカ光る街灯に在りし日の4年間のひとつひとつが宿っている気がして眩しくて目を背ける。

高校生のころ思い描いていた何者にもなれない4年間だった。資格も、政治家秘書にもボディビル大会にも出場しなかった。モテモテにもならなかった。

ひたすら限界を知る4年間だった。憧れを目指して、走り走り壁にぶつかって軌道修正して壁にぶつかって軌道修正して壁にぶつかって屈した膝を周りに支えられて起ち上げてまた走る。

結局。あれだけ言っていた銘柄400の有名大企業の社員にはなれず、上場したてのベンチャーで転職エージェントをすることになった。

結局。モテモテにはならず、一緒に楽しんでいける賢いパートナーに寄りかかり4年間の景色を見てきた。

結局。キャバクラで働いてみたが、連絡先も貰えずノリも合わずおかしくなってやめた。

結局。東大院をめざしたが、落ちて学歴の呪いから解放された。

何者かになれたかもしれないという可能性、なりたい何かを削ぎ落としながら削ぎ落としながら

私はただ一つの何かになっていった。

ADHD、シーシャ、サウナ、人の本質。
明大、ZARAのジャンパー、手挽き珈琲。PaulSmithのバングル、教える。木漏れ日。

目の前の人。私のすべて。

きっとこれからも私だけの敗北を集めて
私は私だけになっていく。

WHAT am I?
I'm running wild.

私とは何か？で
暴れつくせ

それでは良い1日を。