「エ」ニグマティック・フィギュア
殺人的に激しい陽光を背負いながら男がこちらへ歩いてくる。
いや、逆光でシルエットしか見えないから女かも知れない。
陽光の淡い橙に縁取られた漆黒の姿体は、その他との対比から、平面性を欠き、終わりの見えない三次元空間のゲートと、私に見られている。
うるまを吸いながら待っている。
その姿体が私までたどり着くのを待っている。
目の前に来たら、そのゲートに入ろう。
でも、心のどこかでその姿体が私の元へ辿り着くことはないと知っている。ような気がする。
うるまが切れたから帰ることにする。
帰りしなコンビニへ寄ってうるまとプリンでも買おう。
もしあの姿体があなたの元へ辿り着いたのなら、それはもう私のではなく、あなたのゲートだ。
そういえば、家の冷蔵庫に森永の焼プリンがあったんだった。
うるまだけ買うのもなんだから、何かついでに買っといた方がいいモノとかある?
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