(152)聖者の行進
「聖者の行進」はお葬式の歌だった
体育祭のための「応援」の練習だろうか?
ずっと「聖者の行進」の練習をしているのが聴こえてくる。
”タラタッタ♫タラタッタ♫
タラタッタッタッタッタッタッタ〜♪
タラタッタ〜♪タッタッタッタタ〜♪
タラタッタッタッタッタッタ〜♫"
ずっとこの繰り返し…。
木琴、鉄琴が鳴り響く。
通りを挟んだ、私立中高からの音?
ふと、この子たちは楽しそうに演奏をしているけれど、「聖者の行進」の本当の意味を知っているのだろうか?と思った。
「聖者の行進」は「黒人霊歌」。
つまり「ゴスペル」。
まず
「ゴスペル」が生まれる背景から説明しなければならない。
18世紀から19世紀初頭にかけてピークだった奴隷貿易。
奴隷としてアフリカ人がアメリカ本土に運ばれた船の、一人の空間はほんの50センチほどだったという。
その苦痛に耐えかね、アメリカ本土に着く前に多くのアフリカ人が亡くなっていった。アメリカ本土に着いても一生奴隷の人生。彼らに自由の選択はなかった。
有名な「聖者の行進」は、実はお葬式の歌。
お葬式の中でお祝いに歌った曲だったのだ。
「君は今日からやっと奴隷から解放され、自由の身になったね。おめでとう。」
という祝福の歌だ。
奴隷たちの賛美歌を「ゴスペル」という。
「ゴスペル」を歌うことによって、
彼らは「救い」を感じ、「癒され」「生きる希望」に変えた。
歌っているところを白人に見つかれば殺されてしまう。それでも彼らは歌うことを決してやめなかった。
「歌の力」は偉大だ。
上記の歴史背景を踏まえて
「音楽指導」をしてほしいな…
無邪気に流れてくる「聖者の行進」を聴きながら、そんなことを感じた。
自由に生きることができる私たちは
なんて幸せなのだろう…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?