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(187)訪問看護に何で行くの?

「話題」にはなるだろうけれど??!!

娘が看護学科の学生だった頃の話。
大学は駅から歩いて20分ぐらいの、のどかな場所にあった。

実習中に担当の先生から
「あなたは車に乗れるの?」と聞かれた。

「乗れません。」と娘が答えると

「訪問看護はほとんど車で移動するのよ。それか自転車よね。」

「自転車にも乗れません。」
という娘の返事に友達が驚いて

「ない、ない、ない、ない!ありえない!!ここでそれはありえないっ!!」

大学は自転車で移動しないと生活できないぐらい、近くにお店も何もないからだ。

「都会に住んでいるから車に乗らないのは分かるけれど、自転車にも乗らないの???」と先生。

「駅まで走れば”秒”で行けるし、自転車を止めるところがありません。でも、一輪車には乗れます。」

「一輪車??!!」

「ハイ。一輪車には乗れます。
正確にいうと、自転車に乗ったことがないので、自転車に乗れるのかどうか、自分でもよく分かりません。」

「一輪車で訪問看護っていうのもね〜。
荷物を置けないから、聴診器と水筒を首から下げていくぐらいしか何も持っていけないわね〜。」
とまじめに答える先生。

当時娘が小学生のころ、校庭に一輪車が10台ぐらい置いてあって、子どもたちは昼休みになるとよく乗って遊んでいた。
一輪車に乗れるのだから、たぶん自転車にも乗れるだろう。そのバランス感覚があるならば。

逆に私は自転車は乗れるけれど、一輪車には乗れない。

住んでいる場所が都会すぎて、駅前に自転車置き場はないし、駐輪場を探すのに手間取るぐらいなら歩いてしまった方がよっぽどスムーズで都合がいい。買い物も自転車に乗ってまで買い物したいような大きなスーパーはない。そういえば、私も20年近く自転車に乗っていない。

実際一輪車で訪問看護したら「話題の看護師」になって「取材級のネタ」だろうけれど、「あえて一輪車でなぜ来た?」と訪問先の患者さんからご指摘を受けるに違いない。

「私は乗り物にコンプレックスがあるの。だから、車にも乗れるようになりたいし、自転車にも乗れるようになりたいの。」と真剣な顔で娘に言われて、顔中シワシワになるほど、息もできないほど爆笑してしまった。

「一輪車訪問看護師」…何度想像しても可笑しくてたまらないっ!!

アハハハハ…

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