『＃文春廃刊』から考える、これからの時代に必要なもの

　Ｘで#文春廃刊・#世紀の大誤報など叫ばれていますが。

　あー、うるさい。

　下らないなーと思いながら見てましたけどね。

　結局、誤報だったのは『誰が会食へ誘ったのか』の部分なんでしょ？
　『会食のあとに何をしていたか？』ではないんでしょ？
　だからこれでは『何をしていたか』の部分は全く覆っていないんだよね？

　ここで『大誤報！』だの廃刊、人権侵害だの叫んでる人たちはちょっと落ち着いたほうがいい。
　事実と感情が一緒くたになって、もう前が全く見えてない。
　冤罪ポルノに頭をやられすぎだよ。

　私の身内が昨年の松本人志氏の一件から『文春は廃刊せよ』との意見を頑なに固持している。
　その理由を聞いてみると「（被害女性は）夜の商売をしている人でしょ」ということだった。
　つまり、だから当然合意でしょ？ってこと。

　え……うーん。
　夜の商売……いろいろありますけど……？
　キャバクラから風俗までねぇ……

　それに、夜の商売を生業としているから、何をしてもいいっていうことじゃないでしょ？
　もっと言えば、どういう兼ね合いでその場に呼ばれたのか。
　性的な接待を目的として、相応の料金を払って呼んだのか。
　それとも、お友達感覚で呼んでのこの振る舞いなのか。
　そこも真実は本人たちでなければ分からない。

　はっきりと言語化してしまえば「夜の商売をしている頭の悪い（貞操観念の緩い）女性がへらへらとタレントの飲み会に考えもせずについていったのが悪い」ってことなんでしょうね。
　むしろタレントと飲めるんだから、そっちが金を払えよくらい思っているかもしれない。

　それだったら確かに、誤報ならば文春が悪い！人権侵害だ！だし、誤報でなければ被害女性が悪い！だし、松本人志氏本人は守られる。

　松本人志氏を擁護し文春廃刊を叫んでいたのは、私が見る限りほぼ男性だったのだけれど、多分、こういった方の頭のなかでは松本人志氏も自分自身も一緒くたになっているのだろう。
　ここでも事実と感情が一緒くただ。

　中居正広氏の一件と全く同じ。
　被害女性は女性アナウンサーだけど『合意して行った』から『何をしてもいい』じゃないし、『合意して行った』から無罪ではない。
　っていうか『一体なにを』合意して行ったの？

　ここで大体、彼らの考えが見えてくる。
　彼らの頭のなかでは『会食に参加した』『飲み会に参加した』『自宅へ伺った』が極端な話、性行為してもOKだ！というサインになるのだろう。

　前に書いた滋賀医科大生の一件もそのパターンだよね。


　　　　　　　　　🖤🖤🖤


　私は昭和生まれのババアでね。
　だから、ババアしか知らないことも書いておこうか。

　私が多感な時期だったのは平成初期だけど、その頃には昭和の空気はまだまだ残っていて。
　『女性が男性の部屋に上がるというのは、それなりのことをされるということだ』という教えが残っていた。

　よく『据え膳食わぬは……』と言われるあれは、女性の積極的な誘いを断って恥をかかせるのは男性としても恥だよ、という意味であって、間違っても誘って女性がついてきたら全て合意で何をしても無罪！ということじゃない。
　みんな勘違いしているけど、その勘違いしている人間が多すぎるから、このような教えがあったんでしょうね。
　時代は下ったし、テクノロジーも進歩したけど、人間は全く進歩してねえな。

　ということは、昔からこんなことは横行していたってこと。その証明でしかない。
　それでいて事実と感情をごちゃ混ぜにして冤罪を叫ぶのはかなり無理がある。
　今さら「クリーンですよ」みたいな顔してもねえ……

　『夜の商売の女性』だからといって、貞操観念が緩いこととイコールではないし（彼らの希望であり夢ではあるだろうが）へらへらとついてきたからといって、乱暴なことをしてもいいというものではない。

　つまり今、そこで気炎を上げている人たちというのはその程度の認識、モラル感しか持っていないのだ。

　中居正広氏のファンの女性たちの狼藉も目立つ。被害女性に心ないコメントが相次いでいるらしい。
　うーん……
　よく学校なんかでいる過保護なモンスターママとあまり変わらないねえ……


　　　　　　　　　🖤🖤🖤


　で、よく言われるのはこういうスキャンダルの裏側には必ず何かもっと重大な案件が隠れているんですよ、ということ。
　実際、中居正広氏の報道の裏側にも「食料供給困難事態対策法」があったし、岩屋外務大臣が中国人富裕層向けに訪日ビザの条件緩和措置をとった件もあった。

　ここで盛り上がっている人たちはこれらを知っているんだろうか。
　たまたま……陰謀論……うん、そうかもしれない。
　だけど、この中居正広氏の案件に目の色を変えて騒いでいる間に、この法案は採択されてしまったのは事実。
　同じ事例はまだたくさんある。　

　というか、もしかしたら日本政府と文春はグルなのかもしれないよ。
　マスキングとしての文春砲は、単に部数を稼ぐためだけに放たれるのではなく、放つべき時を選んで、誰かを守るために放たれているのかもしれない。

　そう考えると、こんなところで「女が！」とか「中居くんが！」など、事実と感情ぐちゃぐちゃのまま叫び散らすことの愚かしさが分かるはずだ。

　ああ、たまたまだよ。証拠はないさ。
　だけど、緊急事態条項もそれで採択になってしまったじゃないですか。
　もっと議題として重い、女系天皇の問題なんかもそれでサクッと採択されてしまったらどうするの？

　それとも、国よりあなたたちの下半身の都合のほうが大事ですか？

　だから愚民化政策だと言われるんです。
　実際に愚民化しているから。

　パンとサーカスの、そのサーカスのほう。
　これは、もっと重大なことから目を逸らして『サーカスの見世物がつまらない！』と口々に野次を飛ばしている。
　それと同じことをしているに過ぎない。

　まあ、そのサーカスの片棒を担いでいるのはフジテレビさんでもあるわけですが。
　そのフジテレビさんの株式をもっているのはアメリカの投資ファンドです。
　つまりはフジテレビさんと文春さんの裏側にいる者が、２つを比較してどちらを切り捨てるか決めた。
　サーカスの見世物はさしずめ『共食い』といったところでしょう。

　そうそう、昨日は＃フジテレビかわいそう、などというハッシュタグもありました。
　愚かしい。
　それはただの見世物であるから無責任に「カワイソウ」なんて言えるのです。

　叩きやすい弱い者をとりあえず叩いて悪と戦ったつもり。正義を貫いたつもり。
　なんと情けない。

　事象の裏側を見抜く知性を。
　これからの日本人に必要なものはこれなのだと思います。
　陰謀論でもいいじゃないですか。悪法の採択を未然に防げたのなら。

　賢くなりましょう、お互いに。
　思考を止めないこと、それがこれからの知性の在り方だと私は思っています。

　どうかこの問題が曖昧に幕引きされることだけはないように、そう願うばかりです。