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【絵画レビュー】あのCMにも登場した日本画家の巨匠、東山魁夷の代表作『緑響く』の魅力とは

日本画 東山魁夷『緑響く』

東山魁夷『緑響く』

日本画家の巨匠『東山魁夷』の名作

日本画家の巨匠、東山魁夷。

その東山魁夷の代表作といえばいくつか挙げられますが、中でもシャープの液晶テレビアクオスのCMでもお馴染みの『緑響く』は、絵画に詳しくない方でも"あ、見たことがある”と言えるほど有名な作品です。

CMの中で、吉永小百合さんと白馬が美しい森の緑を背景に、湖の畔を歩く姿が印象的で、十数年前?のCMにもかかわらず未だに記憶に残っています。

原画は長野県の信濃美術館に所蔵されているようですが、筆者は現物はまだ見たことがありません。

絵画ファンとしては一度は間近で鑑賞してみたいですね。


緑響くの舞台

この作品の舞台のモデルと言われているのが信州・八ヶ岳の「御射鹿池(みしゃかいけ)」という小さな農業用の溜池で、現在は観光名所としても有名なところです。

酸性の強く生き物が生息しにくい水質の為、池の底が見えるくらい水が澄んでいるようです。

澄んだ池の底に繁殖する藻の絨毯が光と反射して、美しいエメラルドグリーンの湖面を映し出しているようで、タイミングが良ければ絵画のような幻想的な風景が見られるよみたいですよ。(コロナ禍なので筆者もまだ行けてません)

御射鹿池 長野県茅野市観光案内所HPより引用

緑響くの魅力とは

東山魁夷は、長野県を四季の変化が美しく自然の地形の変化に富んでいるとして、創作のインスピレーションを与えてくれる場として心から愛していたといわれており、作品を育ててくれた故郷と語っていたようです。

この作品を制作した際に魁夷は『一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え去った――そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなくモーツアルトのピアノ協奏曲の第二楽章の旋律が響いているのを感じました。穏やかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち昇る嘆きとも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです。』と語っています。

東山魁夷のメッセージを聞いた後にこの作品を鑑賞すると、物語の風景を想像して、また違った見え方ができますね。

絵画は作者が込めた想いもありますが、見る側の想いや考え方を込めて鑑賞するのも楽しみ方の一つです。

評論家的な見方ももちろん良いとは思いますが、変に知識を入れずにフラットな気持ちで見た時の印象を楽しむのも絵画鑑賞の魅力です。

絵画の楽しみ方に規則や正解はないと思います。(静かに鑑賞する、作品に触らないなどのマナーはありますが)

東山魁夷『緑響く』彩美版プレミアム

名作が家庭でも楽しめる

筆者も絵画にハマったのは最近ですが、巨匠の有名な作品を美術館だけでなく自宅でも楽しめる『版画』というものがあるようです。

筆者の中では版画といえば"図工の授業で習った彫刻刀で掘るやつ”のイメージしかありませんでしたが、絵画業界ではポピュラーなものみたいですね。

今回紹介した東山魁夷の『緑響く』も版画として販売されているようです。

版画は限定番号が決められていて、作品の一つ一つに個別の番号が割り振られています。

同じ番号の作品は世の中に1つしかないというのが所有欲をそそりますね。

原画ではありませんが、家庭でも飾れるサイズに変更され、認定された本物の作品というのが版画作品と呼ばれるようです。

ただのコピーではないんですね。

価格は筆者の感覚からすると非常に高価ですが、正式に認定された作品と考えると妥当な価格かと思います。

仕事で成功したら、自宅に版画作品を飾ってみたいですね。



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