もういなくなろうと思った 昔の僕なら本当にそうしてたと思う 怒りや悔しさから眠ることもできず 時計が何周していたかも定かではないけど ふと思った 自分は間違っているか いや多分……きっと 間違えていない 人をこんな気持ちにさせる方が 間違っているのではないか ならなぜ 間違っていない僕がいなくなり さまようことにならないといけない 間違っていない僕が大切な人との 大切な毎日を失わないといけない 自分を信じていれば 決して逃げる必要なんてない
ぼくたちは 似た者同士 だけど 似ても 似つかない そんなおかしな二人は あなたとぼくだけ ありがとであえて
古いUSBを見つけた 4年もかけて書いた論文が あの日のまま残っていた 結構よく書けてる だって引用が多いから きっと辛い時間だったはず でも今は良い意味で とてもどうでも良い 無駄なことなんてない 要は無駄って 思うか思わないか 僕はまだ 観念論を捨てられていない でも今は良い意味で とてもどうでも良い
生きていたらさ いろいろなことがあるけど その一つひとつに 乗り越えるとか 逃げちゃいけないとか 思う必要なんてない 通り過ぎる それで良いんだって 歩いていたって ほとんどの景色が いつの間にか過ぎ去っていて 気がついたら 新しい場所 だから 通り過ぎる それで良いんだって 動けなくて 立ち止まっていても みんなは僕をよけて進んでいく これだって 通り過ぎていくみたいなもの だから これから先も いろいろなことがあるけど その一つひとつに 乗り越えるとか 逃げ
ハンガーをみただけで ほんの一瞬 ほんの一瞬だけ 終わりが頭をよぎったりして 僕のことを大切に想ってくれる人が こんなにも近くにいてくれるのは わかっているのに 僕の心と頭は 分かり合えないでいる ハンガーは洗濯物を吊るすため そんなことずいぶん前から知っている それなのに それなのに一瞬だけ 終わりが心に浮かんだりして 少しずつ分かり合えてきたのかも ?
心に麻酔を打てたなら 僕はなにも感じなくなり 前へ進めるだろうか いや 麻酔を打たずとも 僕はなにも感じなくなっているのに 身動きが取れないのは なぜだろうか
目をとじて 思い 浮かべる 僕が進んでいるこの道は 決してきれいな一本道ではないはず 途中になにがあって 終わりがどうなっているかなんて もちろんわからないけれど 分かれ道があって そっちを進んでも良いはずだよね この道しかないなんて考えて 動けなくなってしまったら それこそ終わってしまう まだ重くても怠くても 一歩を踏み出せるうちに 新しい道へ
僕は あとどのくらい この場所で 過ごしていくのだろう 暗くなって 明るくなってを 繰り返して 僕は あとどのくらい この場所で 過ごしていくのだろう 出逢って 離れてを 繰り返して 僕は あとどのくらい この場所で 過ごしていくのだろう 咲いて 散ってを 繰り返して 僕は あとどのくらい この場所で 過ごしていくのだろう 生きて 死んでを 繰り返しては できないから 僕は あとどのくらい なんて考えず この場所で 過ごしていく
カーテンにうつる影が やさしく揺れる ゆっくりと時間が 過ぎていくようで ただそれだけのこと でも忘れたくはない 大切な時間
カモメの鳴き声で思い出す あの頃の僕は 日々をなんとなくなく生きていた 見返したいという気持ちは 持っていたはずなんだけど いつしか暗い海へ沈んでいった それでもまだ こうして生きている どうやって呼吸していたのかも 憶えていないけれど こうして生きている 久しぶりに聞こえた カモメの鳴き声 もうすぐ暗闇が明けることを信じ 冷たい水に浮かんでいよう
こんなのは 自分じゃない わかっているつもり いや そう言い聞かせている だけかも 少しでも気を抜くと どこかへ連れ去られて しまいそうで 誰に どこへ わからない とにかく 眠りたくないんだ
戻ってしまったら あなたとはきっと もう逢えないから 二度とは戻れない 時間を生きている そのことを忘れず この先もあなたと
あなたと出会えて良かった そんな言葉いわれたの いつぶりだろう 家に帰り 一息ついたら 涙があふれた もう少しだけ生きていよう そんなふうに思えたの いつぶりだろう
あの時まで 通っていた道 何もかわってないように思えた そのかわり 僕はずいぶんと 変わってしまったけれど あなたは あの頃のままですか それとも…… そんなことが浮かんで 慌ててかき消すために 僕は足元に目をやった いくら磨いても取れない 汚れのついた靴 何度結んでもほどける 紐が千切れた靴 ショーウィンドウのマネキンだけが 優しく僕を見てくれていた
なにをいわれても なにがおきようとも 生きていかないといけない 自分の力では 死ねそうにないから 自分の力では…… 生きていけそうにないけど なにをいわれても なにがおきようとも 生きていかないといけない 自分の力では 死ねそうにないから 苦しいね……
疲れたら 休みましょう とてもシンプルなことなのに それができない複雑さが 各々あって 逃げたいし 隠れたいけど その後のことを考えて ふらふらになりながら 今日も 痛む傷む