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おいおい日記 出会って世間が広がった言葉 『事情』

 クリスマスから正月まで、インフルエンザの大流行で気軽に出歩くこともできず、落ち着かない日々が続いた。しかたがないので、あれこれ後ろ側に思いを巡らせ、引っかかってくるものを探してみた。

 10代の頃、何かのドラマのタイトルに『事情』という言葉があったようで、それが印象深かった。

 それぞれの事情、私の事情、〇〇さんの事情と、その一言で「そうなっていることについて、その人にとって特別な理由があること」を意味していて、とても便利だと思った。

 誰かの言動をなんだか理解できない時、自分の理解力不足に加え、「何かの事情があるのだろう」と思うと、その人のいる世界、私との関わり、それを取り巻く世間が、それまでとは違う広がりを持って、事情という言葉に包み込まれるような気がした。

 抽象的な言葉でありながら、どこか現実の生々しさを感じさせる『事情』は私にとっては使い勝手のいい言葉になった。10代にとって、人というのはわからないことだらけ。そのもどかしさを『事情』はなだめてくれた。

 自分を育ててくれた言葉の一つだと思う。

(今年も一年、小さくがんばる🍀)

 

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