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今日の一枚 食用菊 『もってのほか』

 子どもの頃数回だけ食べた菊の葉の天ぷら、美味しかった。近所で観賞用の菊の鉢を作っているお家の方から、季節になると大きめの葉っぱをいただいて、母が天ぷらにしてくれた。子ども向きの味ではないと思うが、私の好みだった。

 今は葉っぱは手に入らないので、菊の花をおひたしにして楽しんでいる。品評会の菊はおもしろいものが多いがあまり好みではなく、食用菊の方が素朴できれいだと思う。花びらをゆでる前にスマホで撮っておいた。調理中は菊の香りを満喫できる。

 これは山形の『もってのほか』。ユニークな名前だ。

2019年12月14日 撮影

「もってのほか」は山形県の代表的な紫の食用ぎくですが、その名の由来は、菊(御紋)の花を食べるのはもってのほか、○○に食わすのはもってのほか、などといわれています。しかし、『農作物の地方名』には、「もってのほか」の名称の記載はなく、代わりに「おもいほか」の記載があります。「もってのほか」と「おもいのほか」はともに漢字で「以の外」と表記され、「もってのほか」は「以の外」(おもいのほか)を文字読みしたとする説があります。現在でも新潟県長岡地方では「おもいのほか」という名称が用いられています。

ー山形大学農学部 食用ぎくの歴史ー

 ゆで方、食べ方は入っている袋にていねいに説明がある。初めての人でも大丈夫。少し大きめの鍋とお酢は必要。花びら、ゆでたらちょっぴりになると思うかもしれないが、「おもいのほか」量がある。一度にたくさん食べるものではなく、箸休めなので一袋で4、5人分くらいになる。

 ビタミンはあるようだが、栄養的に食べると言うよりは嗜好品的な食材だろう。季節からの贈り物のようなものだ。山形などの産地の方々に感謝しながら、毎年美味しくいただいている。

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