奈良にちょっとお出かけ① 志賀直哉旧居に行ってみた。作品を読んだことがないけれど...
友人と「休みの会う日に、奈良公園界隈に行ってみよう」という話になり、どこに寄るかをそれぞれチェックしていたところ、まず彼女から「志賀直哉旧居」案が出た。
私もネットの地図を拡大したり、縮小したりしていたらポンっと「志賀直哉旧居」が出現したものだから気になっていて、行ってみることになった。
私も彼女も、志賀直哉の作品を読んだことがないのだけれど…
ウィキペディアで見てみたら…
『暗夜行路』と『城の崎にて』の作品名で「あ、知ってる!これの人かーっ!」とわかった。(それぐらいの知識)
当日私はJR奈良着、友人は近鉄奈良着で、JR奈良から近鉄奈良を通って行くバスで約10分、「志賀直哉旧居」最寄りのバス停「破石町(わりいしちょう)」を目指した。
(家でバスを調べるのに「破石」が読めなくて困ったよ…)
HPの案内では、最寄りのバス停から5分ほど歩くという。
二人ともまったく土地勘がないので、当然違う方向に歩き出していた…
二人それぞれスマホの地図を開くものの、
友人は音声検索で、「なんか、ちがうとこが出る…」
私は凍える指で地図を探り探り…
「あれれ、ルートが出ないよ~ん。」
「ここはどこ…?」
次回は必ずや5分で行ける、かと思う…
「志賀直哉旧居」では、脱いだ靴を備え付けの袋に入れて持ち歩く。
スリッパが、受付けの近くに用意されていて助かった。(板の間が冷たい)
順路の通り、まず、客間と書斎がある2階へ上がる。
客間からの山々の景色が素晴らしい!
「すぐそこに見える若草山は、若草山焼きの時の特別席で、料理人を呼んで家族や友人とご馳走を楽しみながら山焼きを観ていたそうです。灰も近くまで飛んで来ます。」と、その場に突如現れた男性ガイドに説明された。
そう聞いて若草山を見てみると、焼いてる最中は炎の熱も感じられるのではないか、という近さに思える。
続いて、若草山の右方向の山を指し示し「あれが三笠山(御笠山)です。」との説明を受ける。
「お、百人一首の最初のやつ!」と感じ入った。
(後で調べると、七番目だった… 。一番目は「秋の田の――」だった…。友人にまで、「一番目のやつ」とか言っちゃったよ…)
「そこに見える原生林も、(志賀直哉が)この場所を気に入った理由のひとつです。」と、言われると、何気に眺めていた木々が「おぉ、原生林か!」と、太古の森のように思えてくる。
ガイドの方は、他の外国人観光客と合流し、私と友人はその後二人で見学して回った。
志賀直哉自ら設計され、大工さんと相談しながら、数寄屋造りを基調に建てられたこの建物には、大小様々な用途の部屋がある。(大工には「さん」をつけるんだね、私。)
部屋と部屋が繋がっている所が多く、クルクルと回れて楽しい。
どの部屋も窓が広くて、開放的。
隅々まで気持ちが良い。
数寄屋造りをウィキペディアで調べると、
「庭の自然で四季を感じられたり、周囲の景色を借景として楽しむ間取りが考えられているのが特徴」
もうそのまんまのお家である。
数寄屋造りサイコー!
エアコンの設備は無いようで、その日は結構寒く、電気ストーブがたまに置かれているのが有り難かった。
と言うことは、夏の見学はかなり暑い?
扇風機が置かれるのかな?
建物内を順路通りにひと通り回ると、次はお庭!
色んな部屋の窓から、様々な角度で目に入ってくる庭の様子がとても素敵で気になっていて、早く庭に出てみたかった。
そこで、持ち歩いていた靴を履いて庭に出る。
一歩出た瞬間、すぐ横に飲み物の自販機がデーンと置かれていた。
やはり、夏は暑いんだよ!
みんなここで水分補給するんだよ!
実際に歩いてみても、ほんと素敵なお庭。
色んな種類の木が植えられていて、その木の名前がわかるように札が付けられている。
ここで、馬酔木(あしび)、柊木犀(ひいらぎもくせい)を覚えた。
見た目とっても印象的なのに、名前の札が見当たらなくて、写真に撮って「レンズ」で検索したのがこれ ↓
冬の枯れた雰囲気の庭も充分見応えがあって楽しい。
春や夏に来ると、全然違った景色に見えるんだろうなぁ。
グルッと見て回って、出口から出るまで約1時間。
観光客も少なく周りも静かで、私のお腹が鳴るのもはっきり聞こえた。
すぐ近くに「日替わりランチ」の看板が見えたので入ってみると、「お食事は終了しました…」とのこと。
1時半ぐらいだったんだけど…
残念…
「何か食べよーっ!」と、「志賀直哉旧居」を後にした。
友人は『暗夜行路 前篇』まで読んでみて「面白いよ~」と言っていたので、私も今度読んでみようと思う。
『暗夜行路』は、あの旧居の2階の明るく開放的な書斎で書き上げたそうだ。
読んだら、春のお庭を見にまた行ってみようかな。