図書館本 11冊目 『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ著

図書館本9冊目で読んだ『地球の果ての温室で』の著者のデビュー作です。
この9冊目が結構面白く読めて、著者のプロフィールで『わたしたちが~』も彼女の作品であることを知り、やっとこさ今になって借りてみました。

当然『わたしたちが~』の方が先に図書館の棚にあることに気づいてはいましたが(数年も前から…)、タイトルの長さに苦手意識が働いたからか、完全スルーしてました。

一度でも手に取ってチラ見していれば「SF短編7作」の文字に気づけたのに、と思いました。
長くて、しかも完結していないタイトルは敬遠しがちです…。覚えられない、見るのがしんどい?(入力するのもちょっと面倒。)
せめて最後が『~なら、あきらめる。』とかで終わっていれば。(いや、更に長いしセンスゼロですね。)

どの短編も3ページ辺りから「え、どういうこと?!」と引き込まれ、結末(オチ?)知りたさにぐいぐいと読めていけるんですが、わたしの方が光の速さを超えてしまったのか、なんだかはぐらかされちゃったのかと、オチを見失って遠くを見つめて読み終える、そんなパターンになってました。
SFというだけでも想像の世界なのに、その中で主人公たちは更に推測を重ね、そのままホワワ~んと物語が終わる感じです。

星 新一さんのショートショートを読んでいるような、不思議楽しい感覚を覚えるところも多くて(ちょっと懐かしい)、「次こそオチを!」と期待しながら読んでました。
「世にも奇妙な物語」に合いそうだ、とも思ったり。

巻末の文芸評論家による解説や、著者によるあとがきが、「ああ、そうなんだ~」と、わたしの浅い理解を深め、あの不思議楽しい感じで読めたらそれでいいんだ~、と本を閉じました。

オチを求める癖は、若い頃に星 新一さんのショートショートにはまり込んでいたからでしょう。
一冊の文庫本の中で、ほんの数ページ後に「ギャフンっ!」を、何度も繰り返してましたから。(ギャフン!って…)

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