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【随筆】#5 「講師業を掛け持ちした貧乏東大院生」
こんばんは。記事を読んで頂き、ありがとうございます。
今回は、「貧乏だった大学院生時代に講師業を掛け持ちした時のこと」を
赤裸々に回想したいと思います。
また、「大学院生のリアルな研究活動」についても書き下ろします。
大学を卒業後、実家から”追い出され”、「独り暮らし」を始めます。
(※正確には、当初お金がなく、研究室に寝泊まりして過ごしました。)
当然のことながら、生活と研究のために「働く」必要がありました。
定常的な仕事としては、時給が高く、専門的な知識を活かせる職種として、以下の通り、多くの学校「講師業」をこなしました;
●大学 経営学部 ティーチングアシスタント
(経済学概論Ⅰ・Ⅱなど計10科目。)
●アクチュアリー資格学校 経済学講師
●公務員対策学校 経営学講師
●専門学校 大学編入専攻 経営学・経済学講師
(経済学入門、ミクロ経済学、経済数学など計10科目。)
●高校 学習サポーター
”教えること”や”人の面倒を見ること”が好きで、”相手に合わせて分かりやすく説明することが得意”な僕にとって、とても遣り甲斐のある仕事でした。
また、若い学生との会話も楽しく、新鮮で、刺激的なものです。自分で言うのも何ですが、まさに「天職」でした。
一方で、「講師業」のデメリットや悩みも少なくありません;
●毎回の講義準備の負担が大きい。
●親身にサポートしようとすればするほど、さらに負担が増す。
(「学生満足度と講師の負担のトレードオフ問題」)
●一つの学校だけではまとまった収入が得られず、掛け持ちせざるを得ない
●長期休暇中は講義が少なくなるので、収入が大幅に減額する。
●”対人の仕事”のため、心身ともに疲れる。”厄介者”を相手にすることも。
最大の悩みは、以上挙げた点によって「研究の時間が奪われる」という問題でした。しかし、大学院生の”本業”は「研究に没頭すること」です。
修士課程の場合、履修しなければならない科目がいくつもあります。
予習したり、発表の準備をしたり、当然単位を取得するための試験も…
さらに、修士号を取得するためには、修士論文を執筆し審査に合格しなければなりません。論文を書くためには、少なくとも以下のタスクをこなす必要があります;
●研究テーマ・目的の選定
●研究計画の作成
●先行研究のレビュー。特に海外の一流論文を多読する
●オリジナルの仮説を設定
●仮説を検証するための調査手法を選定。調査設計と計画を作成
●調査の実施(アンケート調査、インタビュー調査、観察法など)
●データの整備→統計分析→仮説検証
●仮説と異なる場合、仮説の見直しを行う(仮説通りにはなかなならない)
●論文を執筆→教授からレビューを受ける→修正するの繰り返し
●修士論文審査会に向けた発表資料作成
...
こう振り返ると、自分でも「働きながらの研究は大変だった」と思うと同時に、「本当によく頑張った」と自分を褒めてあげたいです笑
さて、今回はここまでとしますが、
次回は、「派遣労働をした貧乏東大院生」というテーマで記事を投稿するつもりです。「あれっ、講師業だけじゃ収入が足りなかったの?」と思われるかもしれまんが、その通り、足りなかったのです...
(次回につづく)