ヘッドフォンから
トーは画面に表示された三角を押した。耳当てから音が流れ出してくすぐったく、感情は音の波に足を掬われてもう立ち上がれない。トーは目をつむって、呼吸すら音に支配されるようで心地がいい、と思った。音の向こうから人の話す声や石ころ兵たちがじゃれついて起こるカチカチと言う音や慌ただしくすぎていく時の流れすらお構いなしにトーはその音に浸っていた。いつか、この音に肉体や意識さえ一体になってゆくとことを望んでもいた。
トーは画面に表示された三角を押した。耳当てから音が流れ出してくすぐったく、感情は音の波に足を掬われてもう立ち上がれない。トーは目をつむって、呼吸すら音に支配されるようで心地がいい、と思った。音の向こうから人の話す声や石ころ兵たちがじゃれついて起こるカチカチと言う音や慌ただしくすぎていく時の流れすらお構いなしにトーはその音に浸っていた。いつか、この音に肉体や意識さえ一体になってゆくとことを望んでもいた。