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【VR演劇】テクノロジーにおんぶに抱っこ・maropi工房稽古日記

我々maropi工房は11月25日、26日に
「チョイス」
というタイトルの演劇を公演予定で、日々稽古をおこなっております。
このnoteでは稽古の様子や、演劇素人だった私がVR演劇に脚本、演出として取り組む中で感じたことをお伝えしていきます。

これまでのあらすじ

演劇ど素人のmaropiがVR演劇に触れ始めてから約1年、思い切ってオリジナル脚本での公演をメタシアター演劇祭で行うことに。
VR演劇コミュニティ「メタシアター」で集まった心強い仲間と一緒に稽古を重ねる中で、前回稽古では出ハケも決まりいよいよ本格的にシーンの稽古を進めていく

稽古内容1:通し稽古

前回の稽古にて全体の出ハケ、構成が決まり、今回の稽古ではそれを踏まえた通し稽古を行うことになりました。

もちろん動きがきまったばかりですし、役者陣もセリフ完璧に入っているわけではないので、セリフ同士の間であったり、全体のテンポ感など課題はまだまだ残っていますが、現在地をしっかりと確認できたので非常に良い稽古になったと思います。

前回VRマクベスに役者として参加して、初めて演劇に触れたときに感じたことなのですが、「演じる」って偽物の負荷を表現するためにまずは本物の付加から解放される必要があると思っています。

セリフをしっかりと読む、決まった動きをする、そのシーンにあるであろう感情を意識する、そういったやらなければならない負荷が大きいうちは、本来表現したい、シーンの「状況」によってその人物に与えられる負荷が表現できない、表現する余裕がなくなってしまいます。

特に今回の「チョイス」では演者同士の対話が多い演劇になるので、お互いの話をしっかりと聞きながらそのレスポンスとしてセリフが出てくるようになる必要性が高いので、そこは稽古で今後とにかく磨いていくところになります。

VR演劇特有にはなるのですが、どうしても通信の関係でラグがあります。そうなると自然な会話に見せるためには相手が話し終わる直前に話始めるなどの不自然な間を無くす工夫が必要になって、先ほどの「話をしっかり聞いて反応する」と相反するものになるのでここが難しいところです。

稽古内容2:衣装小道具打ち合わせ

今回の稽古では実際の動きを見ていく中で、必要となる小道具や衣装についてもイメージが具体化されてきたのでそこの打ち合わせも行いました。

今回はメタシアター演劇祭の会場での演劇になるので、演劇祭の協力団体である株式会社バーチャルパーティさんのCatsUdonシステムが会場に導入されていまして、そこに登録されている小道具は特に我々が何かシステム上の登録などを行わなくてもVR上で出すことができてしまいます。

生み出された小道具達。犬は…出てきません

ありがとうメタシアター演劇祭、ありがとうバーチャルパーティさん

ということでこのシーンにはこれが良いんじゃないか、とかこっちの方が良いんじゃないか、とか全員で思い思いに出してみて確認を進めて決めていくことができました。

余談:テクノロジーにおんぶに抱っこ

今回の稽古、私が仕事の都合で稽古開始時刻に帰宅できず、VRで参加できない、なんなら稽古開始時間に帰路についたので稽古時間中に家につけない状況でした。

それでも昨日決まった流れを踏まえた形での全体通しでの確認をすぐにしたかったこともあり、電車に乗りながら稽古の映像を見る形でリモートで見ることに。(そもそもVRの時点でリモートか)

VRChat内のストリームカメラを舞台に向けて設置してもらい、その映像をDiscordで配信してもらう。これだけで遠隔にいる人でも、VRに入れない移動中でも稽古の様子を確認することができちゃいます。ほんと便利…

Discordの配信でもしっかりと部隊を確認することができる

気づいたことがあればチャットに書き込めば稽古場に伝えることもできますし、電車の中で声が出せない状況であってもしっかりコミュニケーションとりながら稽古できたかなと思います。

先日の稽古でも参加できなかった役者向けに稽古映像を録画しておいて、それを共有することでやったことを齟齬なく伝えることができますし、そういったITの活用をシームレスにできるのもVR演劇のいいところだと思います。

唯一の難点は小ボケをかました時にタイムリーで拾ってもらえないのでタイムラグでスベるリスクが高くなること、試される方は要注意です。

maropi

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