あなたは、何のために働きますか?〜手紙屋〜
何のためって、家族のためでしょ。子どもの成長にはお金がかかるし、生きていく上でもお金は必要。そのために働く。
そんな考えで働いてるから、めっちゃ好き!という仕事でもなく、そこそこ条件の合うところで働けばいいや。そこまで役に立ってる気もしないから、働くことがイヤになるし疲れてしまう。
もしくは、ちゃんとやらねばで働いていると、手を抜いてるように感じる人には腹が立つし、もっとちゃんと働けよと思うだろう。
もちろん仕事だからちゃんと給料もらってる分は働くよ?
もっと頑張らねばとか役に立たなきゃとか期待に応えなきゃとか、考えるだけで疲れてくる。
働くってなに?仕事ってなに?
そもそも深く濃く考えたことがない。
いま、就活中の若者に向けた本なのだが、転職を考えてる人にも刺さる一冊だと思う。
まず仕事を探すときって、どんな条件で探してる?
周りに自慢したくなる誰もが羨むような安定した大企業だとか、福利厚生がしっかりしてるだとか、風通しのいいホワイト企業か、とか?
自分の好きや得意なことを活かせる場所であったり、自分の能力を高められるようななど、人それぞれ条件ってあると思う。
この物語の主人公は、大学生の西山諒太くん。彼がはじめて手紙屋と出会ったのは、
という喫茶店。
もう、このコピーだけで、現実にあるならわたしも行きたい!と、本好きなわたしの心をくすぐりながらこの本へと惹き込まれていく。
諒太くんは厳密にいうと、実際に手紙屋と会ったわけではない。手紙屋の広告チラシと出会ったのだ。
わたしも諒太くんと同じことを思ったのだ。
手紙屋って何だ?と興味をそそられ、こんな仕事があったらラクそうだしめっちゃ面白そう!あわよくばわたしもビジネスにできないかえ?なんて卑しい気持ちがあったのは、内緒にしてほしい。
本の中の『手紙屋』はビジネスで、最初の一通目は無料。一通目の返事に契約内容があり、それに同意となれば、トータル十通までの文通がはじまるというもの。
ただの文通ではない。この手紙屋との十通のやり取りで、就活に悩んでいた諒太くんはどんどん成長し、本当の意味で自分の人生をスタートさせられるようになる。
ところがこの本を読みながら、読んでる人も一緒に成長できる内容になっているのだ。
わたしも就活や転職活動で、最低限の条件があり、その中から自分の条件により近い会社や、やりがいを求めて決めていた。
そんなものが、まるでチャブ台返しにあったかのような驚きがこの本にはあるのだ。
一通目の返事『物々交換』をちょっとだけ引用させてもらうと、
そのあと手紙屋からの説明がつづくのだが、手紙屋からの十通の手紙は、何も考えず生きてきたわたしにも、自分はたくさん考えて生きてきたというあなたにも人生に対する新たな視点や角度が生まれ、悩んだとき、迷ったとき、人生の岐路に立たされたときに必ず一筋の光となるような本。
そもそも貨幣中心の現代で、なぜ欲しいものを手に入れる方法が物々交換という【事実】なのか?
それを説明できるこんな視点を持っている人が世の中にはいるんだ、という衝撃と、な〜んも考えずに生きてきたんだなわたし、という情けなさ。
それにさっきあわよくば…なんて思ってた自分が恥ずかしくなる。誰かの人生を成功へと導く文章なんて今のわたしには到底書けない。
もっと若いころにこの本と出会いたかった。
でも読みすすめていくうちに、いまこの本に出会ったタイミングがベストで、今日がこれからの人生で一番若いのだから遅かったと落ち込む必要はないのだと。
人生を変える一冊との出会い。
あなたは『手紙屋』を読んで新しい視点を持ち、いままでとは違う人生にするのか、読まずにいまのままの人生を生きるのか。
そもそもあなたは、何のために働きますか?
100日チャレンジDay73クリア!