ミスドの使い方間違ってるな
241006。
午後7時頃。
ミスタードーナツに僕はいた。
というのもその日じゅう、僕はどうしてもドーナツが食べたくて、我慢しきれず近所のミスドでオールドファッションハニーを味わっていた。
客足はまばら。
店内にはドーナツの甘い匂いがふわりと漂う。
その時のお話。
僕がオールドファッションハニーを食べていた際、店内に、おそらく30代くらいの女性客3人組がやってきた。
その女性客3人組は、
「ミスドで台湾料理食べられるんだね!」
などと嬉しそうに言いながら、僕の席の横に荷物を置いて注文口のレジへと向かった。
僕は
「ミスドで台湾料理?」
と疑問に思い、ミスドの公式サイトを調べた。
すると現在ミスドでは、「台湾ゴハン祭り」と題して、台湾料理がたくさん販売するイベントを開催していることが判明した。
台湾の、麺やパイやピザやフルーツティが味わえるそう。
女性客3人組はどうやらそのことを話していたようだった。
で、本題はここから。
その女性客3人組は注文口に向かって10分くらい経った後で僕の席の横に戻ってきたのだが、3人の持つトレーの上には、
・台湾風ルーロー麺×2
・台湾風鶏サンラータン麺×1
・ピザッタ 台湾風ルーロー×2
・台湾胡椒餅風パイ×1
・台湾ごま団子風パイ×1
・台湾粉粿フルーツティ×3
・ポン・デ・リング×1
と、大量の台湾料理が並べられていた。
ポン・デ・リング以外は「台湾ゴハン祭り」の商品だった。
僕は思った。
「いや台湾料理屋行けよ・・・」
例えば甘いドーナツを2つ頼んだ上で、しょっぱい台湾胡椒餅風パイを味変のために頼むのなら分かる。
例えば甘いドーナツ1つと台湾風ルーロー麺をセットにして頼むのなら分かる。
例えば小腹がすいたときに、単品で台湾風鶏サンラータン麺だけ頼むとか、台湾ごま団子風パイだけ頼むのなら分かる。
ミスドもそのつもりで、「台湾ゴハン祭り」を開催しているだろう。
でも、ハッキリ言ってこの女性客3人組。
やりすぎ。
暴挙である。
ミスドで台湾料理の爆食はいただけない。
大体ミスタードーナツに来て、台湾料理ばかり食べて、それで夜ご飯を済まそうとするってどういう発想なのだろう?
いやそんなに台湾料理が食べたいんなら普通は台湾料理屋行かないか?
わざわざミスドに来て、台湾料理をいっぱい食べたいという動機が解らない。
そもそも、言っちゃ悪いがミスドの台湾料理が圧倒的に美味しいのかと聞かれれば、それはノーだと思う。
いや、もちろん美味しいは美味しいと思うが、味のレベルとしてはせいぜいフードコートレベルのはずだ。
ドーナツは抜群に素晴らしいが、期間限定のサイドメニューまで抜群に素晴らしいなんてことは無いだろう。
にも関わらず、わざわざミスドに来て、
「ミスドで台湾料理食べられるんだね!」
と息巻いて喜ぶ意味が分からない。
大体、ミスドの「台湾ゴハン祭り」とは、正確に言えば、
・「ドーナツのサブの台湾ゴハン祭り」
・「期間限定モノが好きな人のための台湾ゴハン祭り」
・「奥さんにミスド連れてこられたけど別にそこまで甘い物が好きじゃない旦那さんのための台湾ゴハン祭り」
なのであって、
・「台湾料理をたくさん食べたい人のための台湾ゴハン祭り」
ではないのだ。
「台湾ゴハン祭り」で、台湾ゴハンを夜ご飯の主役に据えるというのはどういう了見なのだろう。
ミスドの使い方間違ってないか?
やっぱり主役はドーナツだろ。
なんで申し訳程度にポン・デ・リングひとつしかドーナツ頼まないんだよ。
それならどう考えても台湾料理屋に行った方がいい。
少々値は張るかもしれないが、メニューの質も選択肢も多い訳なのだから、台湾料理屋に行った方がいい。
それでその帰りにミスドに寄って、
「なんか食後に甘い物食べたくなったね」
とか言ってドーナツを買うのがミスドの正しい使い方。
僕は、トレーの上に乗せられた台湾料理に目を輝かせる女性客3人組を横目にしながら心中でうんざりする。
「いや台湾料理屋行けよ・・・」
その後女性客3人組は
「おいしい!おいしい!おいしいよ!」
と話しながら台湾料理をシェアして食べていた。
店内に漂うドーナツの甘い匂いはスパイスの香りで打ち消されてしまった。
僕は台湾の香りに包まれながら
「ほんとにそんなにおいしいのかよ?」
と女性客3人組を疑った。
そして、30分後。
僕は疑う気持ちの果てに、
「そんなにおいしいんだったら食べてやるよバカヤロウ」
と半ば自暴自棄な気持ちになり、台湾風鶏サンラータン麺を注文した。
所詮はフードコートレベルだろ?
女性客3人組が舌バカなだけだろ?
結局ミスドってドーナツでもってる店だろ?
そういう気持ちが「台湾ゴハン祭り」への参加を後押ししたのであった。
ずるずるずると麺をすする。
スープもごくりごくり。
僕は思った。
「いや普通に美味いんかい・・・」
ミスタードーナツは台湾料理専門店でした。