TOKYO 3am
温もりのあるベッドを抜け出す。
キッチンの換気扇を回し、煙草を咥える。
使い捨てライターの火が
さっきまでの熱を思い出させる。
東京は綺麗だ。
窓を開ければ必ず光がある。
光があると
きっと人は安心するんだ。
でも静かな眠りには
僅かな光も邪魔になる。
きっと人間は我儘で身勝手なんだ。
だから俺は今夜もこの女と寝ている。
光に安心して
温もりに安らいで
暗闇に飲まれて眠りの中に落ちる。
落ちる?
落ちてんのかね?
落ちててもいいんじゃない?
だって永遠なんて
きっと無いんだからさ。
今がずっと続くなんて
願ったってきっと無い。
煙草が灰に変わっていくように
何だってお終いはある。
箱から新しい煙草を出して
また火を着ける。
同じ様なもんだよ。
終わったら新しく始める。
いつかの深夜のドライブを思い出す。
橋の横にはずっと光が連なっていた。
東京は綺麗だ。
換気扇の回る音と
煙草がチリチリと燃える音が
この時間を飾っている。
夜でも無い、朝でも無い
青い時間を楽しむ。
また温もりに戻ろう。
前とは違う呼吸の感覚も
安らぎには違いない。
リアルにはBGMが足りない。
だから寝息のリズムさえ
嬉しくドラマチックな気分になれるんだろう。
そんな日常を楽しめないと
生きてる事を忘れてしまいそうだ。
to be everyday life