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叩く

懐かしいなんて思ってしまう。
そのくせ、嫌いだとも思っている。

ネオンにイルミネーションが混ざり、街は(華やか)過ぎる程に人の心を煽っていく。

恋人たちの時間、家族の笑顔。
季節だとはいえ盛り過ぎだろ?
否応なしに購入欲、散財欲を掻き立てる。

この通りをひとりで歩くのは中々辛い。
お邪魔にならない様になんて、右へ左へ。

ひとり者は歩いちゃいけない気分。
去年は2人だったなあ。
こっちも否応なしに思い出してしまう。

とても深刻な症状に侵された時
何んであたしが強力するの?
働けないなら別れようと言うのが
愛で優しさなんだと説かれた。

ごもっもで御座います。
支え合うなんて流行りませんよね。

それからドアを閉めた。
閉めたままが心地良かった。
良かったんだ、、けど、、

人間は(我儘)なんだ。

買い物をして、またこの街を歩いてる。
相変わらずひとりには違いない。
ただ、これは仕事上の付き合いだよ。
人間関係を円滑にする為さ。
そんな風に言い聞かせながら、紙バックを揺らしてる。

未来は分からない。
まだ生きて歩いている。
次に人生のピンチがやって来た時、
その時は背中に添えられた手があるだろうか?

儚いなんて思った頃を
絶望なんて感じた事を
繰り返す足の動きに合わせて
叩け、叩け。

過去はただ過ぎて行き
歩けるのは今、現実だけなんだ。


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