北海道へ行った話
表立ってXなどで公言したことは無かったと思うが、実は私、コーラスをやっている。オバちゃんばかりの女声コーラスだ。20人にも満たない人数だが、ハイテンションで熱心な指導の先生と、我々には勿体ないほどの技量をお持ちのピアノの先生と、気の合う仲間たちでけっこう楽しく毎週歌っている。
拙い私たちだが毎年参加しているコンクールがある。朝日新聞社主催キューピー協賛のおかあさんコーラス大会だ。5月ごろに地区大会が行われ、選ばれし団体が全国大会への出場権を得る。たかが「おかあさん」だと侮るなかれ、選ばれたところはそれは美しいハーモニーを聞かせてくれるし、演出だって素晴らしいものがあるのです。ま、なかなか選ばれませんけどね!←
というわけで、今年の全国大会を聞きに行くという口実で北海道へ行こうよ!ということになった。こちらnoteにも記事を上げたが、昨年鎌倉へ行った面子でだ。全国大会へは行けない前提で(笑)、地区大会前からいろいろ調べ、飛行機のチケットを取り、ホテルも抑え、居酒屋の予約まで入れた。
私は北海道へ行ったことが無かったので本当に楽しみにしていた。
それなのに、台風10号が発生したのだった。
今も(8/31)弱ったとはいえ台風は紀伊半島付近を今度は北へと向かっている。こんなにゆっくり進むなんて、全くの想定外だった。今から思えば事前に立てた予定通りでも大丈夫だっただろうが、それは過ぎたあとだから言えること。行く前も行ってからも、常に台風情報をチェックしまくって気が休まらなかった。
結果的には食べたいものを食べられたし、小樽でゆっくり観光も出来たので、まず満足な旅だったのだけど。でも、鎌倉に続いての自然災害到来……面子が悪いのでは? なんて思ってしまう。
25日(日)早朝出発。少々雨が降っている。伊丹空港に着いて荷物の重さを測って保安検査場を通る。雷雲のせいで出発が少々遅れるなどした。フライト自体は順調で、あっさりと新千歳空港へと着く。さすが北海道、空気がさっぱりして湿気が少なく快適だ。お昼ごはんにとラーメンを食べる。同じように考える人が多いのか、けっこうな込み具合だった。本場の味噌ラーメンは美味しかったです。
それからJR快速エアポートに乗り込み札幌へ。ホテルに荷物を預けてから全国大会をやっている札幌コンサートホールKitaraへと向かう。昼を過ぎてからだからそれほど多くの団体を聞いたわけではないが、やはり上手い、演出が楽しい、衣装が素敵。聞き応えは抜群で、ホールの美しさも堪能しました。
ホワイエに置かれた巨大キューピー人形と写真を撮って、ホテルに戻った。それにしても、ホールのあった中島公園はそれは素晴らしい公園で、こういう散策の出来る公園が近くにあったらいいのにね、と話しながら楽しんだ。17時を過ぎていたので、日本庭園も豊平館も入場出来なかった。次に行くときは絶対見学したい。
本日の夜ご飯はスープカレーだ。ガイドブックに載っていた有名店へと向かう。日曜の晩だというのに大勢の人でさすがの観光地かと思っていたが、おかあさんコーラス大会に加えて札幌マラソンも開催されていたせいかもしれない。目当てのお店も私たちの受け付け後すぐに、今日はこれでクローズとなっていた。
その間も台風情報を見ながら次の日の予定をどうするか、でいろいろ検討し合う。その時はまだ遅れているとはいえ、関西圏に多大なる影響を与えそうな進路予想図だった。予定通りの飛行機は飛ばないかも、と不安にかられ、しかも台風は北海道に向かってきそうで、ますます飛行機が飛ばないんじゃないかと考えたのだ。関西圏の空港は影響の出る可能性大ということで、手数料なしにフライト変更可能になっていた。
そこで次の案を考えた。
1 さっさと次の日(26日)に帰る
2 26日に予定していたバスツアーをキャンセルして、朝から空港へ詰めてチケットを変更してもらったあと、小樽で観光
3 予定の変更はなし
スープカレーを美味しく戴きながらも、台風の進路予想図をにらめっこしてどれだけ考えただろうか。結局のところ26日の飛行機は満席だったため(マラソンのせい?)、2のバスツアーをキャンセルして(キャンセル料100円で助かった)朝から空港へ向かおうということになった。
ところで飛行機のチケットを取ったのは私だ。部屋に戻ったあと、去年の鎌倉の時のようにオンライン上で変更が利くはずだからと、スマホをいじって何とか夕方予定のフライトをお昼に変更した。やった! これで空港へと行く手間が省けた。
最近は本当に便利になりました。手元で予約が取れるし変更が利くのです。
ということで次の日は心置きなく終日小樽で観光と相成った。
26日(月)は少し湿気を感じる曇り空で、小樽を歩き回るにはちょうど良かったと思う。元々の予定では、三日目の午前中にちょこっと見て回ってお寿司食べて空港へのつもりだったから、丸一日小樽を堪能出来た。
小樽駅はなかなか風情のある駅で、裕次郎ホームとか(等身大のパネルがあった)たくさんのランプとかむかい鐘とかレトロ感がいっぱい。街中にも多くの明治大正期の建物が残っていて、歩くだけでも楽しめた。古き良き大大阪に似た建物がたくさんあって、もう少しじっくりと見たかった。実はそんなに時間がないと思ってさほど下調べもしてなかったのだ。ちょっと勿体ないことをした。それでも旧日銀や銀行などいくつか見れたし、運河クルーズも楽しめた。あとは北一硝子やルタオやらお土産屋さんもたくさん見て回った。
お昼は予定通りのお寿司屋さんへ。ちょっとづつネタの盛られた海鮮丼を食べた。いいお店だったようで、とても美味しかった。
夜の小樽も楽しそうだったが、その日の晩は札幌の居酒屋に予約を入れてある。戻ってその店に行くと、予約だけで満席。とても繁盛しているお店らしかった。そして海鮮が、特にイクラが絶品だった。あのイクラにもう一度会いたい。帰ってきてからその店のオンラインショップでイクラを頼んでしまった。届くのが楽しみだ。
それにしても北海道は何を食べても美味しい。
27日(火)台風はますます遅れていてしかも九州へと向かっている。どういうことやら。嘆いても仕方ないので荷造りして空港へと向かう。この日は朝からしとしとと雨が降っていて、ところによっては大雨の影響で電車も止まっていたらしい。この天気だと小樽で散策は到底出来なかった。支笏湖や洞爺湖を巡るバスツアーも残念だったけれど。
時間はたっぷり取っていたので、空港内の土産物をまたもや見て回り、並んでまでソフトクリームを食べた。札幌農学校というブランドのアップルパイを買って飛行機に持ち込んで食べたのだけど、これがもう美味しくて。このアップルパイ食べる為にもう一度北海道行きたい気分です。
機体の都合により出発が25分遅れ、途中積乱雲の中に入り、がたがたと揺れてなかなかスリリングなフライトだった。伊丹に着いたのは、午後15時過ぎ。気温は10度も違う。湿気たっぷりのいつもの大阪の暑さに、さっそくぐったりとなったのだった。
と、こんな感じの想定外の旅行になってしまった。せっかく旅の栞も作ったのに、あんまり役立たなかった。ちょっと悔しい。
次に行くとき、同じメンバーだったらお祓いしてから行くつもりです(笑)