玉田
ブルージャイアント最新巻を読む。言わずと知れたジャズ漫画の名作である。
ブルージャイアントは「ブルージャイアント」「ブルージャイアントシュプリーム」「ブルージャイアントエクスプローラー」「ブルージャイアントモーメンタム」と、サックスプレーヤーである主人公、宮本大(ダイ)が場所(日本→ヨーロッパ→シアトル→ニューヨーク)を移していくたびにシリーズ名が変わっている。
それだけダイが現状に満足せず、日々成長していくことでその都度出会う仲間と別れ、また新しい仲間に出会いながら、常にその環境を自ら変えていく。その姿に感動するし、憧れる。まさにヒーローである。
「ブルージャイアント」でそんなヒーローと組んでドラムを担当していた玉田というキャラクターがいる。このキャラクターはダイやキーボードを弾く雪祈のように元々音楽をやっていたわけでもないし、特別な才能があるわけではないのだが、持ち前の負けず嫌いと圧倒的な努力でダイ達と一緒にステージに立ち続ける。あるライブ演奏後に玉田がその演奏を見に来ていた初老の男に「君のドラムは良くなっている。僕は君のドラムを、成長する君のドラムを聴きに来ているんだ。」と話しかけられて、泣くシーンは今でもグッとくる。
友達とよく話す。俺たちはダイにはなれないかもしれないけれど、玉田は目指さなければいけない、と。最新巻でも成長したダイに玉田が会いに来るシーンがある。音楽をやめた玉田は心の中で「(音楽をやめて、社会人になって)これから枠に入るが、俺の表現が終わったわけじゃない。むしろ、ここからだ。」と決意を新たにするシーンがある。
誰よりも努力して、挫折して、そのたびに不屈の精神で前に進もうとする玉田を目指さなければいけない。最新巻を読んで、改めて強く思った。
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