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【習作の記憶】

世界中の職場を周って仕事選びの助言を集めていけば何か良い物が作れるのではないか。それは単なる突飛な思い付きではあったが、何をやっても熱くなれず悶々とした日々の新たな企てとなっていった。何もかも未経験のまま印度へ飛び込んだ日から七年。見知らぬ人に声を掛け、仕事を撮らせて貰い、心通う束の間の会話を味わってきた。ここにあるのは旅をしながら撮った習作とその記憶の断片だ。職場に入る事を許され、カメラ越しに彼等の眼差しを見る度に静かな熱狂はやって来た。それは、この先に天職があるのだと自らを信じ込ませるのに足りる興奮だった。ずっと探していたスタートラインに、ようやく立てたという感慨があった。(shelter notebook vol.1 前書きより)

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