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【モンゴル】旅の果てに

ある時全てが嫌になり、機材と車を処分した金で旅に出た。印度、アフリカ、欧州を経て一年に渡る放浪。流れる風景に目を遣り、知らない街をひたすら歩き続けた。もう一度仕事を撮ってみようと思ったのは、旅の終わりに撮り溜めた映像を偶然見返した事が切っ掛けだった。良い物を作りたい、天職に辿り着きたいという作り手の、つまり過去の自分の情熱に不意に共鳴してしまったのだ。だが、過去の追体験は幻滅に終わる。最後に蒙古を訪ねて知ったのは、旅はやはりどこかで終わってしまっていたという事。そして、それでも知らない街から街へこれからも歩き続けるだろうという確かな予感だった。


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