ユヴェントスは今夏どのようにすべきか?についての私見(6月15日現在)
突然だが、HUNTER×HUNTERには幻影旅団という組織が存在する。
その団長が囚われの身となった時の団員のケンカの中で興味深いやり取りがある。
フランクリン「シャル、今オレたちにとって最悪のケースってのは何だ?」
シャルナーク「団長はすでに死んでてヒソカ パクノダ マチ コルトピ シズク ノブナガが鎖野郎に操作されてる」 「鎖野郎の所在は結局知れずこの2人にもまんまと逃げられる かな」
フランクリン「それが間違ってんだよ 最悪なのは俺たち全員がやられて旅団が死ぬことだ」「それに比べりゃお前が言ったケースなんざ屁みてェなもんだ 違うか?」
今回のnoteはそんな感じの話。
HUNTER×HUNTERの話はさておき、ここからはユヴェントスの今夏の立ち回りについて私の考えをここに綴っていく。
〜現時点での考え〜
私はアッレグリを残留させ高額が見込めるヴラホヴィッチかキエーザ、あるいはその両方を放出し、UEFAからケチがつけられない完全かつ健全な財務状況にすべきだと強く考える。
これは決して感情論で述べているわけではない。
私はヴラホヴィッチもキエーザも大好きで、可能ならこの先何年もユーベに残って欲しいと心の底から思っている。
対してアッレグリについては「22-23シーズンのチームの舵取りには大いに感謝しているが来シーズンからの指揮を取る監督として最適とは言えない」と考えている。もしユヴェントスに資金的な余裕があったならば適切な後任を見つけた後解任するのが妥当であろう。
しかし先述した私見について、以下に理由を綴っていく。
まず
①ユーベは今夏選手の売却とコストカットで最低1億ユーロ以上(以上というのは選手の獲得にどれくらい予算をかけたいかによる)を生み出す必要がある
②アッレグリは残留希望、解任の場合4000万ユーロ以上のコストがかかる
③ヴラホヴィッチとキエーザがアッレグリやその戦術に少なからず不信感を抱いている
の3点を前提とする
また「エクソールが2025年までユーベに追加の資金提供をしないと表明した」というニュースもあったことはここに追記しておく
ソース→https://t.co/apoeT7lPeu
〜アッレグリについて〜
(※6月15日現在アッレグリの残留は決定的となったため、この章は主にアッレグリ解任派への意見となっている。)
前提②で述べた通り彼を解任すると総額4000万ユーロ以上の違約金、更には新監督のための費用が発生するため今夏のミッションが「最低1億ユーロ」」から「最低1.4億ユーロ」に引き上げられてしまう
その場合追加の4000万ユーロを埋めるため主力選手をさらに1人売りに出す必要が生じてしまう。
ただでさえ選手層が薄いスカッドをこれ以上薄くするのは得策なのだろうか?と私は疑問に感じてしまう。
もちろんアッレグリのフットボールが面白くない、再現性がない、格上に勝てない、給料が高い割に結果が残せていない、マネジメントすら怪しい、等解任を叫びたくなる理由が多いのも事実だが、安い給料で今のユヴェントスを指揮できる「適切な後任」が市場にいない以上彼を切って4000万ユーロの負債を安易に背負うのはあまりにもリスクが大きいと考える。
アッレグリを変えたからといって必ずしも彼以上の結果を出せる保証はどこにもないのだ。
ちなみに「ヴラホ&キエーザかアッレグリ&ラビオか?」という軸でアッレグリの解任を希望する声も多く見たが、個人的には「アッレグリを解任するとより大きい費用を穴埋めする必要が生じキエーザやヴラホの放出の可能性は更に高まる」と考えている。
〜ヴラホヴィッチ、キエーザについて〜
次になぜヴラホヴィッチかキエーザの放出が必要と考えるかについてだが、理由はシンプルに「そうしないと1億ユーロ回収できない可能性が高い」と思われるからだ。
クルセフスキはきっと2500〜2700万ユーロ程度でトッテナムに売られるだろう(3500万ユーロで売れないならトッテナム以外に話を持ちかけるべきだと私は思うが)。
ルカペッレグリーニも条項のまま買い取られるとは考えにくく、良くて1000万ユーロだろう。
マッケニー、ザカリアについては現状明確な買い手の噂もなく、こちらの希望通りの価格で売れることはまずないと考える。最悪ローンになってもおかしくないとすら思う。
アルトゥールに関しては最早契約解除かローンで給料を浮かせるのが関の山だろう。
以上を踏まえるとローン組では1億ユーロをかき集めるのは不可能に近いミッションだと言える。
またSB(WB)や右WG、CBの層の確保の為には更にお金を集める必要がある。
そうなるとやはりキエーザやヴラホヴィッチは売らざるを得ないのではないか、と考えてしまう。
そもそも交渉の場において血眼でキャッシュを求めていれば「少しでもお金が欲しいんだよね?この値段なら買い取るよ」と舐めたオファーをされるのは明白(まさにここ数年のユーベの売りオペだが)
それならいっそ高値がつく選手を早々に売り、少しでも優位に戦力外を売ることのできる立場を作りつつ適切な穴埋めをじっくり吟味する方がクラブにとって良いと考える。
〜財政の健全化について〜
そして「財政の健全化」について私はかなりの危機感を抱いている。
破産、クラブ消滅を除き今のユーベにとって最悪のシナリオは「財務状況を改善させないまま進むことでUEFAにそれをツッコまれ、さらに複数シーズンにわたりCLからの締め出しを食らう」だと思う。
理由は金銭的な側面が大きく、単純に言えば締め出されるシーズンが増えるたび1億ユーロの稼ぎが必要になるからだ。
離脱を表明したとは言えスーパーリーグの件でUEFAとは仲が良くないのは明白で、こちらが少しでも隙を見せれば制裁の対象になりかねない。
今夏無理にキエーザやヴラホその他主力を残すことでペナルティを科され、今年の積み残した借金に加えて来年はさらに1億ユーロの制裁(CL締め出し)がのしかかる地獄のようなケースは決してあり得ない話ではないのだ。
その場合なんとか残留させたヴラホキエーザはもちろんブレーメルやカンビアーゾ、イリングやスーレ、ガッティ、ペリンや若手のホープであるフイゼンすらも安価で放出せざるを得なくなり、いよいよビアンコネリは中堅クラブになってしまうかもしれない、悲観的すぎるだろうか?自分はそうは思わない。
何年にもわたってダメージを負いクラブが瀕死に陥るくらいなら、主力数人を犠牲にし今年で全て精算してしまう方が長期的に考えて得策だと考える。
たとえそれが「軸」として定めた選手であっても。
軸はあくまでクラブを支えるためのものであり、それを大事にするあまり他の部分が大崩壊してしまえば元も子もないのである。
以上が冒頭の考えに至るまでの経緯だ。
〜さいごに〜
-10ptというペナルティについての納得感はさておき、制裁を食らいそれをクラブ側も受け入れた以上我々にできることは前を向いてクラブを応援することのみである。
いい年した大人がSNSでグチグチネチネチとFIGCやCONIに物申したところで何も生まれないのである。彼らはSNSを見ていないのだから。ましてや日本語なんて誰も読めないわけだし。
とにかく、fino alla fineを掲げるチームのサポーターとして今夏の市場で何が起こったとしても私は最後まで応援していこうと思う。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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