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創作SS:あかりの焼き芋

表紙画像はMicrosoft Designer Image Creator にて生成。
プロンプト「とてもおいしい焼き芋」

Geminiの創作SSです

SS:あかりの焼き芋

「あかりちゃん、今日のおすすめは何?」

大輝は、あかりの焼き芋屋さんに、いつものようにやって来た。

「今日はね、紅はるかの焼き芋が特に美味しいのよ。甘くてホクホクで、とろけるような食感なの」

あかりは、お金を受け取り、大輝に笑顔で焼き芋を手渡す。

「ありがとう!」

大輝は、熱々の焼き芋を頬張る。

「あ、熱い!」

熱いからと言って、口から出すことなく、ふーふーしながら食べる大輝の姿に、あかりは思わず笑ってしまう。

「大輝くんって、いつも慌てて食べるから、火傷しちゃうのよ」

「だって、美味しすぎて我慢できないんだもん」

大輝は、目をキラキラさせてそう言う。

そんな二人の様子を、遠巻きに見ていた美咲は、複雑な気持ちだった。

「あかりちゃんと大輝くん、いつも仲良しね」

美咲は、わざとらしく笑って、二人に声をかける。

「美咲ちゃん、どうしたの?何か用?」

あかりは、美咲に優しく尋ねる。

「いや、別に…ただ、焼き芋の匂いが美味しすぎて、つい」

美咲は、そう言いながら、大輝の手から焼き芋を奪おうとする。

「ちょっと待ってよ!これは俺が買った焼き芋!」

大輝は、自分の焼き芋を守ろうと、美咲の手を払いのける。

「えー!ずるい!」

美咲は、プンプンと怒り出す。

「美咲ちゃん、焼き芋食べたいなら、自分で買ってよ」

あかりは、冷静にそう言う。

「あかりちゃんは、大輝くんのことだけ特別にするのね!」

美咲は、ますます怒って、足踏みをする。

「美咲ちゃん、焼きもち焼いてる?」

あかりは、いたずらっぽく笑って、美咲に近づく。

「だ、そんなことないわよ!」

美咲は、顔を真っ赤にして否定する。

「ほらほら、顔真っ赤だよ。もしかして、妬いてるの?」

あかりは、さらにからかう。

「うっ…」

美咲は、何も言えずにうつむいてしまう。

「焼き芋の匂いがすると、どうしてこんなに心が騒ぐんだろう」

美咲は、心の奥底でそう呟く。

「美咲ちゃん?」

あかりは、そんな美咲を心配そうに呼ぶ。

「あ、うん。ごめんね、気を悪くしちゃった?」

美咲は、あかりに謝る。

「いいのよ。でもね、美咲ちゃんも、もし焼き芋が食べたくなったら、いつでもうちに来てね。」

あかりは、そう言って、美咲に笑顔を見せる。

「うん、ありがとう」

美咲は、あかりの優しさに、心が温まるのを感じた。


それからというもの、美咲は、あかりの家に通うようになった。

あかりと一緒に焼き芋を食べながら、色々な話をしたり、一緒に町を歩いたりするうちに、二人の仲はますます深まっていった。

「あかりちゃん、いつもありがとう」

ある日、美咲は、あかりに感謝の気持ちを伝える。

「どういたしまして。美咲ちゃんと一緒にいられるのは、私にとってとても嬉しいことなの」
あかりは、そう言って、美咲の頭を優しく撫でる。

「ねぇ、あかりちゃん。もし、大輝くんと私が同時に焼き芋を欲しがったら、どっちにくれるの?」

美咲は、突然、そんな質問をした。


「え?」

あかりは、少し戸惑う。

「だって、大輝くんは幼馴染だし、美咲ちゃんは大切な友達だから…」


あかりは、言葉を選びながら、ゆっくりと話し始める。

「そんな時は、二人に半分ずつあげるよ。
 だって、どちらも大切な人だから」


あかりの優しい言葉に、美咲は心が安らぐ。

「ありがとう、あかりちゃん」


美咲は、あかりの顔をじっと見つめる。

「私も、あかりちゃんのことが大好きだよ」


おしまい


山根あきらさんのお題でした。

記事を見ていただき、ありがとうございました。


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