蛆虫公園
遊具が一つもない公演がおじさんは大好きだった
陽が落ちる頃にやってきて
陽が登り始めると居なくなる
寂しそうな足跡にはコケが生えて
蛆虫が殻を破ろうとしている
そんなところに子供たちを遊ばせたくないから
親御さんたちはこの公園の話を一切しない
そのかわりに
ダメな人間として
あのおじさんの話を聞かせているのです
仕事もしてなくて、性格も悪くて、友達もいない
惨めな人だから
反面教師にしていいけど
会いたいなんて思ったらだめだよと
そんな事ばかり聞かされたら
天邪鬼な僕が無視するわけないじゃないか
毎日毎日おじさんを求めて
町中を歩き回ったのに
見つかるのは小綺麗なおじさんばかり
そんな模範的な人には用がないから
唾を吐きかけて逃げてきたよ
歩き疲れた時に見つけたのがこの公園で
やっとおじさんにも会えたんだけど
ゆうほど酷くはなかったから
がっかりしてるんだ
もやもやが消えないので
おじさんを噛み殺したら
僕はみるみるうちに老け出して
お父さんみたいな大人に成り下がっていました
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