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リス子先生の悩み
新年最初の授業の日。ちょっと早めに学校に着いて、自分の席で、机上に置いてあった今年の「古いほうの学校新聞」の体育祭の記事を読みながら、つぎつぎ登場する知った少年たちと、その内容のあまりの可笑しさに(どなたが書いたんだろう?)にこにこしていたら、非常勤講師仲間のリス子先生が来て、
リス子先生:雲子先生😊😊
わたし:あ~、「今年もよろしくお願いします」😊😊~
そこから、新年最初の授業はどこか、という話題になり、わたしはクール科、リス子先生は旧ワイルド科ということで、
わたし:最近会ってないけど、旧ワイルド科はどうしてます?みんな元気?
リス子先生:😊😊😊……
もうすぐ終わりだから、もう気が抜けちゃってて大変ですよぉ。もう、
元気で元気で。
わたし:😊😊~ でも、わたしの授業のときは、去年すでに大騒ぎ……
リス子先生:やっ、わたしもわたしも😊 そんな感じですよ?じゃあ、変わ
ってないだけだったか😊😊
でも、旧ワイルド科はわたし、なんだかんだ言って、そんなやりにくく
ないんだけど……、
という話から、リス子先生も担当している現クール科と去年担当されていた現ワイルド科の話になった。
リス子先生も、現クール科と現ワイルド科の、なかなかこっちを向かない矢印に苦戦されてきたらしく、
「たぶん、自分の中で、こういう授業の状況を他の先生たちから見られたら、……どう思われるんだろう……?、みたいな気持ちがあるんですよね。結局は、彼らがどう、というよりは、自分の中で、……ね。」
と、おっしゃっていた。
非常勤講師って、たしかにそういうところはあって、半分外部の人なので、なかなか引け目みたいなものがあって、妙なところで気をつかってしまう。ましてや、長く非常勤講師をされていて、性格もきちんとしたリス子先生は、そういうことは気になるんだろうなあ、と思った。
ひきかえ、わたしはというと、矢印の向かない家族の中で暮らしてきたので、そういうことに関する感度が低くて、むしろ矢印がこっちに向きすぎて緊張するだの、スイッチが入るだの、でも反応が薄いだの、ある種低次元なことを気にして働いていることに気付いて、新年最初の反省。
そもそも、この日、新年最初の授業なのにあまり緊張せずに、学校新聞なんて読んでいたのも、現クール科は、新年最初の授業でも、矢印がこっちを向きすぎることは、間違ってもないな~、という安心感?があったからで、内心、最初が現クール科でちょっと助かるな~、とさえ……。
この後、現クール科の授業に行ったら、わたし用の学校パソコンが新しくなっていて、プロジェクターにつながらなかったり、それを少年たちがふざけ合いながらも何とかしてくれたり(クール科はそういうのが得意)、前衛くんがまた、ほぼ白紙の提出物を出してきたり、「え~!これはひどすぎない??」と言ってみたり、でも、少なくとも必ず出しはするようになったのが密かにうれしかったり。
新年初授業だった。