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おばあさんとドライブ

「おじいさんの介護費用のなんとかの書類が来たんやけど、おばあさんにはよく分からんのよ。雲子、ちょっと見てくれん?」
と、実家の母。
「え~、わたし、そういうの、苦手よ?」
「そりゃあ知ってるけど、おばあさんも苦手なんよ。」
「😊😊😊~」
「😊😊😊~」

 と、二人で額をつき合わせて、「この個人番号って何?」「さあ……、マイナンバーじゃない?枠の数がそれっぽくない?」「ほんとねぇ…。じゃあ、・・・」と、言い合いながら書いていくうちに、こんがらがってしまったらしく、おばあさんが、
「あー、間違えた。こんなところにこれを書いてしまった。」
「あー、また間違えた。ここはおじいさんの名前を書くところやね。おばあさんのを書いてしまった」
になっている。😊😊~

「もうさぁ、これさぁ、この頼りにならない二人じゃダメなんじゃない?
市役所に行って、これをここ、あれをここ、って言ってもらったほうがよくない?」
とわたし。
「そうかねぇ。でも、そのぐらい自分でやってください、って言われんやろうか?」
「や~、おばあさんも行けば、きっと気の毒がってくれるんじゃない?
だって高齢者なんやし😊。わたしだけが行ったら、あなたもっとしっかりしなさいよ、になるかもしれないけど。」
「そうやろうか…。あんた、乗せていってくれる?」
「いいよ~😊」

 というわけで、田舎の我が家から、(この辺りでは)街なかの市役所まで、おばあさんとドライブ。


 で、もう到着😊。

 知らなかったけど、市役所が建て替えられていて、立体駐車場から建物に渡ると、昔の無機質な内装ではなく、茶色いどことなく木目調の内装になっている。井筒屋にでも来たかのような……。

 もともと、うちのおばあさんも三女(でも、下に弟がいる)で、わたしよりはマシだけど、誰かを率いるようなタイプではない。その上、歳を取って認知能力もあやしく(リアルすぎます?😊😊)なってきているので、率先して率いてくれる気配なし。
 わたしだって認知能力はあやしいし、人を率いる能力はゼロなので、二人で困惑していると、最近の市役所はびっくりするぐらいサービスがよくて、エレベーターを降りたところから「あっちに行ってくださいね😊?」「こっちですよ😊。」「その後、こっちです😊。」みたいにして丁重に導かれて、書類も記入すべきところをひとつずつ指さして「ここにこれを書いてくださいね😊」「他に市役所で終わらせたい用事はありませんか😊?」「駐車券は😊?」みたいに、びっくりするほどすんなりと終わった。
 おばあさん効果なのか。
 疑いたくなるくらい、やさしい世界😶。これ、市役所ですか??
 連れてまわるなら、おばあさんか小さい子ですね?みんながやさしくしてくれます。

 さて、帰ろう。

 と、車に乗ろうとしたけど、今度は、わたしの車があまりにもありふれた、N-WGNのシルバーだったため、なかなか見つからず(二人とも、新しい市役所で方向感覚がつかめず、どこに止めたか覚えていなかった💧)、でも見つかって、田舎へ帰っていく。





 すると、母が昨日、絵画教室の生徒さんに聞いたという、車のナンバープレートの話を始めた。
「・・・で、◯◯さん、車を軽自動車にしたら、黄色いナンバープレートになったって言ってたよ?白のままにも出来るけど、そしたらお金がかかるんてね?
 今さっき、雲子の車のナンバープレート、何色だったっけ?」
「え?ふつうに白よ?」
「黄色なら目立ってすぐ分かったんじゃないかね?……じゃあ、わざわざ白にするために何万円(?不確かな情報です)か、払ったの?」
「え?払ってないよ?……と、思うよ…?」
「でも、◯◯さんそう言ってたけどね…?軽自動車は黄色いナンバープレートって。雲子、前から軽に乗ってたっけ?」
「や~…?前はフィット。この車から軽。その時に、ナンバープレート何色にします?とか訊かれてないし、なんの違和感も感じてないから、白と思うんやけど…。」

 でも、そう言われてみると、すれ違う軽自動車は、
「あれ、黄色いね?」
「ほら、あれも。」
「あら、でもあれは、黒板色よ?」
「ほんとね。なんでかね?」
「商用車とかかね?」
「そう言えば、警察が警察って分からないように白ナンバーの車に乗るとか言うね?」
「へえ、そうなん?おばあさん、なんでそんなことを?」
「よくテレビドラマとかで言う気がするよ、白ナンバーとか」
「へえ。」

 という感じで、二人で道行くナンバープレートの色を観察。軽自動車はたしかに、ぜんぶ黄色い。
 しかも、最近では軽自動車率が妙に高いんですね?

「えー、じゃあ、この車、まさかのナンバープレート黄色?」
「……覚えてないね~。あんた、毎日乗るんやろうがね😊😊~」
「いや~、でも、あんなに派手な黄色なんなら、印象に残るから、やっぱり白じゃない? だって、シルバーに黄色って、すごく目立ちそうやん。」
「ほら、あれも黄色。😊😊。ほら、次のも。ほら、あっちに止まってるのも。😊😊~」
「えー、これで帰り着いて降りてみたら、黄色かった、とかなったら、すごく笑うよね~? 😊😊😊~」「😊😊😊~」





 というわけで、帰り着いて、降りて、
 二人で爆笑しました。
 「!! 😊😊😊😊😊😊~」
 「😊😊😊😊😊😊~」


 似すぎた二人は、相性がいいのか、悪いのか?
 ちょっと周りが引くテンポ、でしょうか。

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