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正しい 子どもの 育て方 ?

 新しいほうの学校に向かって車を走らせながら、その朝の一コマを脳内でリピートしてみる。
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 朝ご飯を作り終えて、6:20。とある予備校生の目覚まし時計が鳴っているのが聞こえたのに、本人が起きてくる気配がない。まっ暗な廊下を歩いて、部屋のドアを、コンコン、
「起きなくていいの?」「……あ~……、……車で乗せて行ってくれ……」
 とある予備校生め~。
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 わたしには、なんと答える選択肢があったんだろう?
「え~。ちゃんと起きて自分で行ったら?」
さらに、厳しく、
「予備校に行くのは自分で決めたことなんやろ?」
と付け加える?
(古いほうの学校みたい。「予備校に行くのは、オマエが決めたことなんやないんか。周りが迷惑しとるやろうが。自分だけよければいいんか。」😊)
もっと言えば、最初っから、起きられないのは自分のこと、と、放っておくというのもあるのかもしれない。

 実際には、
「うわぁ~……。」
と、答えて温かい居間に戻ったわたし。


 そそっかしくて、抜けの多いとある予備校生。きっと、幼稚園に入って以来、高校卒業まで、星の数以上に、先生たちにも迷惑をかけてきたに違いない。
 たまに文句は言うけど、めったに怒らない母親と、昔よりやさしい対応の学校に育てられて、幸せなバナナのように車で駅まで送り届けられるとある予備校生は、がんばるべきときに、ちゃんとがんばれるんだろうか。やっぱり、自分を鍛える旅に出るべきなのかな……。


 と思う一方で、毎日見ている、このやさしくもマイペースな世代の、のんきなあたたかさも、世の中には必要なパーツなんじゃないか、とも思う。自分のことは棚に上げて「チッ、使えねぇ親だなぁ~😊😊」とか「もぉ、先生はおっちょこちょいなんだからぁ~😊😊」なんていいながらも、なんだかんだで多少のことはおおらかに許してくれるような、あくせくせず、愛情をかけられてのびのび育ったように見える、人口少なめのかわいい世代。
 こののんきさにイライラする人もいるようですが、わたしたちより下の方の世代より、意外に、わたしたち世代とのほうが補い合って相性がいいような気もします。だって、人口の多いわたしたち世代の、あの競争社会も嫌なものでした。わたしたちはあれを選ばなかった。捨てる神あれば拾う神あり?


 とある予備校生の調査書を出してもらうために、新しいほうの学校の校門に向かって右折すると、手前にソフトテニス部のテニスコート。通りかかりながら目をやると、人がたくさん動いている。
 校務納めの昨日は練習ではなく、とある予備校生の呼び方で言うと「うちの正顧問」の先生が、部員たちといっしょに、寒い中、コートの脇の溝をさらっています。この先生、ソフトテニス部前衛さんならしいから、一般的な”いい人”……かどうかは即断はできないけど、この様子を見る限り、正しい人なんだろうと思う。
 他の部員たちは大きなゴミ袋を持って、コート周辺の掃除をしています。

 その中に混じってゴミを拾う「とある若者」の、ひょろっと白い姿が見えるような気がしました…。





今日は、12月28日土曜日。冬休み4日目。ピアノもお休み。
今日はとある予備校生、ちゃんと自転車で出発。


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