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折り紙①

 「ピンポ~ン、おばあさんですよ~…?いますかぁ~…?」
と、玄関からおばあさんの声。自分の娘の家にもかかわらず、それも、自分の土地の上に建っている家にもかかわらず、わたしが玄関まで出て行くまで、いつも入って来ずに待っているのは、気をつかっているんでしょうね?
 明日の準備をしているパソコンの前から離れて、慌てて玄関に向かうわたし。

わたし:はいは~い?……何??

 絵画教室から帰ってきたらしき、おばあさんがお出かけ用のポシェットに手を突っ込んで、玄関のドアのレールの上に立っている。
おばあさん:これ、おばあさんの絵の生徒さんが、あんたたちにって……。
 と、手を出す。ピンクと水色の、かっこいい折り紙の、……何?

わたし:ふうん……。これ、なんやろう??
おばあさん:さあ知らん…けど、あんたたちにってくれたんよ。要らん?
わたし:へ~、要るよ?へ~。

……と、折り紙の不思議な形を見ている間に、おばあさんはするするっと帰って行った。

 その後、台所で夕ご飯の支度をしていると、とある女子中学生が帰ってきた。

わたし:おかえり~。
とある女子中学生:……。

振り向くと、机の上に置いた折り紙を、(食べ物かな~?)みたいな顔をして、見ている。

わたし:おばあさんの絵の生徒さんがとある者たちにって。なんか入ってい
  そうよね?なにが入ってるん??

 かさ。かさ。と音を立てて、慎重に開けてみる とある女子中学生。

わたし:なに?飴?
とある女子中学生:……へび。
わたし:😊?

 実物はこんな感じ。


なにに見えます?やっぱり鶴?


 中から?


にょろ。


 うわっ。なんだか、かわいい!
 折ってみたくなりません?これ。というわけで、つづく!

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