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[春弦サビ小説] 「初夏の能登」 Bメロ〜サビ

「未来へ〜春は希望〜」から

✼まくらさん、「春弦サビ小説」ヘッダー、使わしてもらいます!ありがとうございます!!

 七尾。できることはしようと、町の人たちは動いている。ナナオンがしているのは、木遣のザイ作りとちびでか山の組み立て。子どもにでか山を作ってもらう体験をする。
神社で、神事が行われた後、木遣唄の披露が神社であった。その他、道の駅でも行われた。ナナオンはその間に、ちびでか山作りの準備をした。木材をたくさん切り出したものに、印をつけて切ったり、組み合わせたり。そこへ、たくさんの子どもがやってきて、ちびでか山作りが始まった。ナナオンは、仲間に手伝ってもらっている間に、祭り道具のザイとギターを持ってきた。
「でか山は出せんけど、いろいろできることはしようぜ!」
地震の爪痕が道路に残るが、でか山が出せないからといって、何もできない訳ではない。ナナオンは、力強く歌った。
♪~ 地震の爪痕残るけど そこに負けてはいられない!
みんなで力合わせて 乗り切ってやる!!
できること やろうぜ! 今 希望に向かって
七尾の魂 見せてやる!!
♪~でか山は出せないけれど そこで凹んじゃいられない!
木遣みんなで歌えば 力が湧いてくる!!
初夏の風に 魂燃える!
七尾の魂 見せてやる!!
町の人たちは、ザイを手に、ナナオンの力強い歌声に声援を送った。ちびでか山も出来上がり、子どもと一緒に曳くことに。
「せーの!」
町の人たちみんなで綱を曳いた。ちびでか山になっても、辻回しも見どころ。男衆も、紋付き袴姿で練り歩いた。その後は、みんなで、打ち上げ。
「今年は、できることはやったから、来年にかけよう!!」
「そうだな。またやりたいな!!」
「子ども、嬉しそうやったし、やってよかったと思った」
「ちびでか山、好評だったな!!」
「オォー!!」
男衆は、満足そうだった。来年の青柏祭に向け、精気を養っていた。
 次の日、ナナオンは、ちびでか山を保管庫にしまった。
「楽しかったな…」
と、しみじみ思っていた。地震の後、祭りがどうなるかわからなかったからだ。しかし、みんなの楽しそうな顔を見て、やってよかったと感じていた。
「本格的な夏が始まるな!」
ナナオンは、次の保管庫を覗いた。奉燈祭のキリコが入っているところ。
「出せるかな?」
期待と不安が入り混じって、何とも言えない気持ちではあるが、楽しみにしている。
「奉燈祭、開催できますように!」
ナナオンは、祈った。
              (終わり)

https://note.com/pu_ukuleleguitar/n/n5d05813e4c75






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