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救われる命と失われる命
「マスクが自由化されてもTPOに応じて」
「高齢者と接するときは着用を」
「ワクチン推進派/否定派」を問わず、多くの医者が似たようなセリフを口にします。
一見もっともらしく聞こえますが、私は大いに疑問を感じます。
マスクをすることで、ちょっとぐらいは感染を防げるのかもしれません。
ただしそれは、「新型コロナ感染を防ぐ」というただ1点、批判覚悟であえて言えなら、「些末な点」に絞った問題です。
この世には、コロナ以外の疾病が無数にありますし、「新型コロナ」なんかよりも、はるかに恐ろしい感染症だって幾つもあります。
年配者・高齢者が長時間マスクを着け続けると、口呼吸になり、嚥下能力が低下すると言われています。
また、たびたび指摘してきたように、マスクの内側は「程よい温度と湿度」のため、さまざまな雑菌の温床と化しています。しかも、食事中にマスクを着け外しすれば、食べかすから細菌の繁殖に必要な栄養分さえ補給されます。
その中には、肺炎を引き起こす原因菌も混じっています。マスク着用者は、そんな雑菌をせっせと吸い込んでいるわけです。
結果、コロナに感染せずとも、誤嚥性肺炎・細菌性肺炎で亡くなる人が増え続けています。
コロナで亡くならなければ、ほかのどんな病気で命を落そうと構わない、とでもいうのでしょうか。
我々は、「マスクをすることで救われる命」と「マスクをすることで失われる命」の双方を考慮しなければいけません。
多くの医師が前者だけを問題視していますが、「1人のコロナ死」を防ぐために「10人の細菌性肺炎死」を生むような対策が、果たして「最善策」と呼べるでしょうか。
そもそもマスクをすることで、どのくらい感染を防ぐことができるのでしょうか。よくてもせいぜい数パーセントにすぎないことは、過去記事で説明しました。
また、症状のない人がウィルスを拡散する確率は、どの程度あるのでしょうか。オミクロン株になり、空気感染が起こっているのは間違いなさそうですが、無症状の人間が大量にウィルスをばらまくことは、極めて「まれ」と考えざるを得ません。
もし体調に少しでも不安を感じたら、わざわざマスクを着けてまで高齢者に会いに行くようなまねは避け、断って自宅で静養すればいいだけです。
それとも、マスクをしないで高齢者にコロナをうつしたら、マスクをしていない人のせいだけれど、高齢者がマスクのし過ぎで誤嚥性肺炎・細菌性肺炎を起こしたら、それは高齢者自身の責任ということでしょうか。
「マスク信者」は、誤った思い込みが多くの命を奪っていることを自覚する必要があります。
多くの医師が強烈な「視野狭窄」に陥っています。簡単に言うと、「コロナのこと(だけ)で頭がいっぱい」ということです。
「公衆衛生」は、もっと広い視点に立って判断すべきものです。
医師に限らず、多くの日本人が「国や自治体にマスク使用のルール策定を求めている」ようですが、「責任放棄」「思考停止」ここに極まれり、です。
きちんと教育を受けたはずのいい年をした大人が、なぜ自分で情報を集めて、適切に判断することができないのでしょうか。
私は、あらゆる場面において、一律に「マスク着用を禁止」すべきと考えます。
そのほうが、トータルで「国民の健康」を守れるからです。