見出し画像

ピグマリオン

ジョージ・バーナード・ショーはイギリスの劇作家。
有名なのは、オードリー・ヘップバーンの代表作の一つ、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作となった舞台劇『ピグマリオン』(タイトルが実に暗示的)です。

もし映画をまだご覧になっていなければ、ぜひご視聴ください。歴史に残る名作映画の1本です(ただし、ちょっと長い)。
誰でも一度はどこかで聴いたことのある曲がいっぱい流れます。

表面上は、ロンドンの下町で暮らす貧しい花売りの娘が上流階級の淑女(フェアレディ)へと成長する「シンデレラストーリー」ですが、そこに込められた作者の「上流社会への痛烈な皮肉」を理解できれば、おもしろさ倍増です。

バーナード・ショーは、いかにもイギリス人らしい「ブラックなユーモア」の持ち主。「寸鉄人を刺す」ような警句をたくさん残しています。
特に「パンデミックごっこ」に浮かれる今の社会にマッチするものを幾つかご紹介しましょう。

『人間を賢くし人間を偉大にするものは、過去の経験ではなく、未来に対する期待である。なぜならば、期待をもつ人間は、何歳になっても勉強するからである』

『間違った知識には注意せよ。それは無知よりも危険である』

『成功の秘訣は、多数に逆らうこと』

『自由とは責任を意味する。だから、たいていの人間は自由を恐れる』

『何か信じた瞬間、それを肯定する議論がすべて見えるようになり、それを否定する議論は見えなくなる』

『人間が賢いかどうかは、その経験のいかんによるものではない。その経験をいかに生かすかによるのである』

『分別がある者は、自分を世界に合わせようとする。分別がない者は、世界を自分に合わせようと躍起になっている。ゆえに、分別がない者がいなければ、進歩はありえない』

『嘘つきの受ける罰は人が信じてくれないというだけのことではなく、ほかの誰をも信じられなくなる、ということである』

『学者とは、貴重な時間を勉強でつぶしてしまう怠け者のこと』

『デモクラシーというものは、腐敗した少数派の取り決めによる選挙に取って代わった、無能な多数者によるそれである』

気に入ったものはありましたか?
もっと知りたい方は、「バーナード・ショー 名言」で検索を。たくさん見つかるはずです。

政府・専門家はもちろんのこと、相変わらずウソを垂れ流し続けるメディア・マスコミは、わずかばかりの広告収入に目がくらんだばかりに、自分たちが何を失ったかにいまだ気づいていません。
「パンデミックごっこ」が明けた後、彼らの発するすべての言葉が誰にも信用されなくなります。
朝の番組で「おはようございます」と言っただけで、視聴者は「本当は夜じゃないのか?」と疑うようになります。
「司会の○○です」と言えば、「実はソックリさんじゃないのか?」と疑惑のまなざしを向けてくるのです。

生きている間に、失った信用を取り戻すことはできないでしょうね。


さて、「バングラデシュ"でたらめ"マスク研究」の次に引き合いに出されるのが、この研究です。

https://nejm.jp/abstract/vol387.p1935

学校における全員マスク着用義務を解除する ― 児童生徒および職員における Covid-19 の発生率 | 日本語アブストラクト | The New England Journal of Medicine(日本国内版) 「The New England Journal of Medicine 日本国内版」は, 必要な論文に簡単にアクセスできるよう主要論文アブストラクトの日本語訳を提供します.

nejm.jp

やはり権威ある「NEJM誌」に掲載されたことで、「マスク信者」たちがひれ伏しているようですが、内容は極めてお粗末。

まず、しょせんは一種のコホート研究に過ぎず、曲がりなりにもRCT(ランダム化比較試験)の体裁を持っていたバングラデシュ研究よりエビデンスレベルがぐっと下がります(バングラデシュの研究が本当に「ランダム」だったのかも疑わしいところですが)。
それに、これもまた「マスク以外の因子」をいっさい排除していないため、どの要因が感染拡大(あるいは収束)に影響したかが不明です。

どうこじつければ、これで「マスクの有効性」を示したことになるのか、私にはさっぱりわかりません。
「都合のいいデータだけ拾い上げた感」が満載ですし、勘のいい方は、かすかに「レイシズム」のニオイさえかぎつけたかもしれません(論文著者に、有色人種や低所得層は感染症にかかりやすいという偏見がありそう)。

『感染地図』(河出文庫刊)という本をお読みいただくと、150年前にロンドンで起こったコレラ騒動のときも、今とまったく同じ状況だったことがよくわかります。
「温故知新」といいますが、今の社会のありようを理解するには、歴史に学ぶことが必要ですね。

私も「何歳になっても勉強する」「未来に期待を持つ」人間になりたいものだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?