棺桶に入りたかった「私」が、葬儀屋になった話
今日も誰かの最期を飾る仕事が始まる。真っ黒なスーツにネクタイを結びながら、鏡に映る自分に苦笑い。昔は自分が入りたがってた棺桶、今じゃ毎日誰かのために飾り付けてる。人生って、こういう皮肉が似合うんだ。
三年前は、死に場所を探して歩いてた。高層ビルの屋上とか、深夜の線路際とか。でも結局、死に場所も見つからないまま、なんとなく葬儀屋の求人に応募した。死にたい奴が死を扱う仕事。なんか、お笑いコンビのネタみたいだ。
でも不思議なもので、毎朝白木の棺桶に花を飾りながら、どこか落ち着く