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完璧はないのよ

散々もつれた離婚話の最中
母親のまえで大泣きしたことがある。
衝動的なものだった。



消し去りたいくらい恥ずかしい思い出のひとつとして今でもたまに思い出す。

母親は一言「完璧はないんだよ」と言った。
本当にそうだと思う。




相手がいい人間だから
好きになるわけではない。

欠如がその人たらしめるし
ここさえなければ、と思う部分があるからこそ
どうしても惹かれて離れられないということもある。

欠如を見て嫌いになれるなら
簡単なことだろう。

かけている部分を含めて
好きになってしまったら終わりだ。



人間関係において
勝ち負けという言葉を使うことは苦手だし
そんなものはないと言いたいところだが
悲しいかな恋愛にはあると思う。


所詮そんなものだ。
根っこにあるのは
三大欲求の一つなのだし、

男と女では体の仕組み上
どうしても折り合いのつかないことだって多い。




下心である以上
相手を自分のものにしたい、欲しい
という欲求が湧いて初めて成立するのだから
愛なんぞには程遠い。

下心が何かしらの情に変わることができたなら
それで上出来と言えるのではないだろうか。



完璧はないのだ。
わかっていても、だからこそ求めてしまう。

難しい。



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