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都立高校は変わるのか①

こんにちは
元高校の事務職員、ひろかです。
今回は、東京都教育委員会が面白い調査を(分かりやすくまとめて)
今後の計画とともに公表したので、ご紹介しながら
ごちゃごちゃと考えていきたいと思います。
公表した計画(案)はこちら。

ちなみに、おおもとの調査結果はこちらでした。
令和3年に実施した調査を令和4年4月時点で全文公表しています。

0 意外と知られていない大前提

この話をするときに、東京以外の方に不思議がられるのが、
「なんで東京ってそんなに受験大変なの?」ということなのですが、
生徒の数と学校の数が多いのと、
交通が異常に発達してるから学校を選択できる
というのはもちろんなんですが、
東京の受験を大変にしている悪しき慣習がこれなんですね。

ざっくりと説明すると、都内の公立中学3年生の数から受験生を試算して
40.4%が私立高校に流れるように都立高校の入学者の数を調整しています。
全国の私立高校入学者数の平均(東京含む)が約30%に対して
高い数字で推移(というか固定)しています。

この数を基に都立高校は難関校から定員割れの学校まで、
合計がこの数になるように合格人数を決めています。
対する私立高校は全体で入学者数を調整することはしていません。
都立高校の入学者数を制限することで自分たちの経営を成り立たせている策です。

1 私立高校無償化の影響はどこに出ているか

東京都では国の助成金にプラスする形で平成29年度入学生から
私立高校授業料の無償化(所得制限あり)を行っています。
この影響で都立高校の入試の倍率が下がっていると
言われていますが、この影響を示す結果がありました。

都立高校の魅力向上に向けた実行プログラム(案)付属資料

右側の応募状況グラフを見ると、平成29年度入学者から
グラフが不自然に下がっている状況が見て取れます。
コロナ禍で初の入試となった令和2年度入学者は少し倍率が戻りますが
その後は進学指導重点校(いわゆる超進学校)を除いて都立高校が選ばれにくい状況が続いています。
それを示すように、図の右下を見ると、
私立全日制の入学者の割合が増えており、
さらに通信制高校の入学者も増えていることがうかがえます。
都立高校の中では工業高校や農業高校、商業高校などの
専門学科の高校の倍率が平均でも1倍を大きく割れており、
危機的な状況です。
工業高校や農業高校の中には「工芸高校」や「瑞穂農芸高校」
などの人気校も含まれているので、
それ以外の高校では学校やクラスの存続の危機という
状況の学校も多くあるのではないでしょうか

2 第一志望の生徒が増えた?

更に調査の内容を見ていくと奇妙なことに気が付きます。
それがこの二つのグラフです。

上のグラフは「中学三年生が進路希望先として都立高校を希望しているか」
下のグラフは「現役高校生が都立高校第一希望だったか」
を聞いた結果です。
同じ年齢を対象としていないので、正確な比較はできないのですが、
この二つを比較して、先程の入試倍率の変化も考えると、

・中学3年生の都立高校希望は公私協の分担比率より多い
・超進学校は依然高倍率
・都立高校生は第一志望で入った人が多く、第二志望以下の人は私立などに流れている

ということが言えます。
超進学校にギリギリで不合格だった人は当然のように私立に行き
授業料無償化によって恩恵を受け、
都立の中でも不人気な学校は定員に満たない活気のない学校で
過ごしているのではないかと想像してしまいます。

その結果として、人気校はますます人気が高まり
入学できない(不合格者)人が増え、
彼らは私立高校に流れて私立高校の経営に貢献し、
一方で都立の不人気校はますます活気がなくなり、
ゴースト化していく構図になっているのではないでしょうか

3 今後、進学校の受験戦争は過熱する

この調査にもう一つ、おそらく教育委員会の人が絶対に考えているであろう
グラフを追加してみます。

東京都の統計基本調査から作成

それは東京都の人口調査です(令和4年1月現在)
19歳以上の人口を比較対象にしてしまうと、大学・就職状況組が流入するので比較ができないために割愛していますが、
今の高校2年生にあたる当時16歳を底にして今後10年間の東京都の高校生の数は増えると予想できます。
ところが、今回の実行プランを見る限り、
都立高校では新しい学校を作る予定もなく、
(これは10年後の更に先に子どもが減ることを考えると難しい)
現在生徒数が少ない学校の抜本的な改革も記載がありません。
このことから、現在の
人気のある学校はより人気に、不人気校はより不人気に
という流れは変わらないと考えられます。
そうなると、現在中学生あるいは小学生で今後都立高校の受験を考える人が取る策は3つに絞られます。

1 中学校受験や高校私立受験など、都立高校以外の選択肢を取る
2 受験競争で勝てるくらいの学力を獲得する
3 人気が高くなくても魅力的な都立高校を探す

ちなみに、個人的おすすめは実は3番なんですけど 笑

4 都立高校は種類がありすぎる

専門学科、総合学科だけでなく、エンカレッジスクール、チャレンジスクール、昼夜間定時制(チャレンジスクールのこと)、
それ以外にも「進学指導〇〇校」「Global Education Network 20」「英語教育推進校」「理数教育推進校」果ては「エンジョイスポーツプロジェクトモデル事業実施校」などなど、
いろんな取り組みをやっているんです。
もう書ききれないし、教育委員会のホームページ見ても意味わからないんです
一応リンク貼っておきますけど

そんなわけでわけわからないので、とにかく近所の学校からで良いので
いくつか見に行ってみることが良いです
というか、情報発信へたくそすぎるので
見に行かないと分かりません(断言)
偏差値とか度外視で見てみると意外と自分に合っている学校も見つかりますよ。
そういう方法で選ぶと卒業後進路も心配になるかもしれませんが、
進路実績や大学の指定校推薦も見てみてください。
今、どこの大学も引くほど推薦ありますので、どうにかなります

どこ見に行ったらいいのか検討付かない方は、
とりあえずこれで近隣の学校を調べてみましょう

偏差値とか度外視で、一回学校を見てみるくらいの気持ちで見たほうが良いです。
別に学校の先生怖くないですから、みんな入学者募集に必死ですから優しいですよ。個別でも(入試時期とかでなければ)見学対応してくれます

なんだかもっと書きたいことがあった気がするので
もう少しこのシリーズ続けてみようかと思います。

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