【NZドル安の要因は?】貿易赤字とマネーサプライ増加が示唆するNZドルの苦境 24/7/22
Yan氏で~す。
インパクト!!!
今回はネタがないので強引になぜ売られるのかから始まった考察です
最初にいつもの通りダイジェストです
ニュージーランドドルは、政策金利5.5%と高金利でありながら、なぜ弱いのか? 7月22日に発表された貿易収支は、その答えの一端を示唆しています。
輸出不振が続くニュージーランド
6月の輸出額は前年同月比で微減。特に、最大の貿易相手国である中国への輸出が大幅に減少しました。これは、中国経済の減速や地政学的な緊張の高まりが影響していると考えられます。ニュージーランド政府は、中国依存からの脱却を目指し、輸出先の多様化や高付加価値化を進めていますが、その効果はまだ十分に現れていません。
過剰な通貨供給もNZドル安の要因か?
ニュージーランドのマネーサプライ(M2、M3)は、この5年間で大幅に増加しています。これは、経済活動の活発化を示唆する一方で、インフレ圧力も高める可能性があります。過剰な通貨供給は、ニュージーランドドルの価値を希薄化させ、NZドル安を招く要因の一つと考えられます。
ニュージーランド政府の本音は?
ニュージーランド政府は公式には「通貨安を望んでいる」と表明していませんが、輸出競争力の向上や観光業の活性化といったメリットを考慮すると、ある程度のNZドル安を容認している可能性があります。
しかし、輸入物価の上昇や海外からの借入コストの増加といったデメリットもあるため、過度なNZドル安は望んでいないと考えられます。
今後の見通し
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)はインフレ抑制を最優先課題としていますが、足元の経済状況は悪化しており、年内の利下げ観測も浮上しています。
このような状況下では、NZドルは当面売られやすい状況が続く可能性があります。
って感じです。この先は本文ですが、同じようなことが書いてあるだけです。マニアな方だけお進みください
本文
今日も暑かったですね。熱中症までは行きませんでしたが外回りの時間で熱線を浴びて事務所に戻ると、冷房MAXな冷えた室内は50歳過ぎたおっさんには苦しいですね(笑)
そんな与太話はどうでも良くて本題へですね
7月月末の月曜日で指標がない。話題もなければ動きも悪いなんて思っていたら、今日は円が強いです。それよりも早朝のわれらがニュージーランドの貿易収支が発表されているので、今日はこの話題から
なぜ、政策金利が5.5%でもここまで弱いニュージーランドなのかを考えてみます。言い方を替えれば通貨安でも平気なのかになります
最初に参考指標です
まずは今日の指標です
いつものように
ニュージーランド 統計局 7/22
ざっくりとした内容ですが
ニュージーランド統計局(Stats NZ)が発表した2024年6月の海外商品貿易に関する情報リリースです。
概要
2024年6月の商品輸出額は62億ドルで、前年同月比で740万ドル(0.1%)減少しました。
商品輸入額は55億ドルで、前年同月比で8億2100万ドル(13%)減少しました。
輸出
主要な輸出相手国(輸出額順)の動向:
中国:1億4200万ドル(9.1%)減
オーストラリア:7400万ドル(9.2%)減
アメリカ:9100万ドル(12%)増
主要な輸出品目の動向:
乳製品:金額は減少しましたが、数量は増加しました。
肉類:金額、数量ともに減少しました。
林産品:金額、数量ともに減少しました。
園芸品:金額は増加しましたが、数量は減少しました。
水産物:金額、数量ともに減少しました。
輸入
主要な輸入相手国(輸入額順)の動向:
中国:10億ドル(16%)減
欧州連合:8億3400万ドル(10%)減
アメリカ:6億7200万ドル(16%)減
オーストラリア:6億2200万ドル(13%)減
主要な輸入品目の動向:
機械類・設備:金額、数量ともに減少しました。
車両・輸送機器:金額、数量ともに減少しました。
燃料:金額、数量ともに減少しました。
プラスチック・ゴム:金額、数量ともに減少しました。
全体的な傾向
2024年6月の輸出入額はともに前年同月比で減少しました。
輸出の減少は、主に中国とオーストラリア向けの減少が要因です。
輸入の減少は、機械類・設備、車両・輸送機器、燃料の減少が主な要因です。
先月も肉類の中国向け輸出が減り、代わりにアメリカへの輸出で凌いでいる状況です。
ニュージーランド政府も中国依存からなんとか解消しようと頑張っているのですが、まだまだ先のお話になりそうです
小さな変化は昨年の貿易でしたがこの5年だけをピックアップしてみると
こんな感じです
ニュージーランド主な輸出品は以下の通りです
。
伝統的な輸出品
乳製品: 全粉乳、バター、チーズなどが中心。世界的な乳製品需要の高まりを背景に、輸出額は安定して推移しています。
食肉: 牛肉、羊肉が中心。特に羊肉は高品質で知られ、中国などアジア市場での需要が拡大しています。
木材: 製材、丸太、パルプなどが中心。近年、中国での住宅建設ブームなどを背景に、輸出額が大きく増加しています。
園芸品: キウイフルーツ、リンゴ、ワインなどが中心。高品質な商品として評価が高く、アジア市場での需要が伸びています。
近年増加傾向にある輸出品
水産物: キングサーモン、ロブスター、ムール貝などが中心。持続可能な漁業管理体制が評価され、輸出額が増加しています。
サービス: 教育、観光、金融などが中心。特に観光業は、美しい自然環境やアウトドアアクティビティが人気を集め、近年大きく成長しています。
この5年で変化した点
輸出先の多様化: 従来はオーストラリアや中国への依存度が高かったですが、近年はASEANや中東などへの輸出も拡大しています。
高付加価値化: 原材料だけでなく、加工食品や高品質なサービスなど、付加価値の高い商品の輸出が増えています。
サプライチェーンの混乱: コロナ禍による物流の停滞や、ウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰など、世界的なサプライチェーンの混乱が輸出に影響を与えています。
これらの変化は、ニュージーランド経済の構造転換や、世界経済の動向を反映しています。
ここで中国以外でのニュージーランドの輸出の変化を見てみます。
輸出先の多様化
ASEAN: ベトナム、インドネシア、タイなどを中心に、乳製品や食肉の輸出が拡大しています。経済成長に伴い、高品質な食品への需要が高まっていることが背景にあります。
中東: サウジアラビア、UAEなどを中心に、食肉や木材の輸出が増えています。イスラム圏ではハラール認証を受けたニュージーランドの食肉が人気を集めています。
欧州: 英国、ドイツなどを中心に、乳製品やワインの輸出が伸びています。高品質なニュージーランド産品への評価が高いことが背景にあります。
米国: 乳製品、食肉、木材などの輸出が安定的に推移しています。長年の貿易関係に加え、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の発効も追い風となっています。
日本: 乳製品、木材、水産物などの輸出が堅調です。特に、高品質な乳製品や木材は、日本の消費者から高い評価を得ています。
高付加価値化
加工食品: 従来は原材料の輸出が中心でしたが、近年はチーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの加工食品の輸出が伸びています。
機能性食品: マヌカハニー、プロポリスなど、健康効果が期待される食品の輸出が急増しています。
技術サービス: 農業、畜産、環境分野におけるニュージーランドの技術やノウハウに対する需要が高まっており、コンサルティングや技術指導などのサービス輸出が増えています。
その他
Eコマースの活用: インターネット通販の普及により、中小企業も海外市場に直接アクセスできるようになり、多様な商品の輸出が促進されています。
サステナビリティへの配慮: 環境負荷の低い生産方法や、エシカルな調達を重視する動きが強まっており、それに対応した商品の輸出が拡大しています。
これらの変化は、ニュージーランドが中国への輸出依存度を軽減し、より多様な市場に目を向けていることを示しています。また、高付加価値化やサステナビリティへの配慮など、新たな輸出戦略を打ち出していることも注目されます。
しかし努力は報われず、中国経済に影響を受けています
ここで対中国輸出を見てみましょう
ニュージーランドの対中輸出額は、過去5年間で増加傾向にありましたが、2023年には減少に転じました。
主な品目の輸出額と変化
乳製品: 2023年の輸出額は59億NZドルで、前年比3.2%減となりました。中国の乳製品自給率向上や、ゼロコロナ政策による消費低迷が影響したと考えられます。
木材: 2023年の輸出額は38億NZドルで、前年比12.5%減となりました。中国の不動産市場の低迷や、木材自給率向上が影響したと考えられます。
食肉: 2023年の輸出額は35億NZドルで、前年比2.8%増となりました。牛肉の輸出が好調でしたが、羊肉は中国国内の供給増加により輸出額が減少しました。
今後の見通し
中国経済の減速や、中国国内での生産能力の向上などにより、ニュージーランドの対中輸出は今後も伸び悩む可能性があります。一方で、高付加価値製品やサービスへの需要は引き続き堅調であると予想されます。他の国へシフトしているとは言ってもしばらくは厳しい状態は変わりがないのですね
そんな、人口530万人のニュージーランドですが通貨高を望んでいるのかって感じです輸出で稼ぐしかないこの国の本音はどうなんでしょうか?
ニュージーランド政府が公式に「通貨安を望んでいる」と表明することはありませんが、いくつかの状況証拠から、ある程度のNZドル安を容認している可能性は考えられます。
なぜなら、NZドル安には以下のようなメリットがあるからです。
輸出競争力の向上: NZドル安は、ニュージーランドの輸出品を海外市場でより安く販売できるため、輸出競争力を高めます。これは、乳製品、食肉、木材などの主要輸出品の販売を促進し、経済成長に貢献します。
観光業の活性化: NZドル安は、外国人観光客にとってニュージーランド旅行が割安になるため、観光客誘致に繋がります。観光業はニュージーランドの重要な産業の一つであり、経済に大きな影響を与えます。
インフレ抑制: NZドル安は輸入物価を上昇させるため、インフレ圧力が高まる可能性があります。しかし、ニュージーランドは近年、インフレ率が目標範囲内に収まっているため、ある程度のインフレは許容できる範囲内と判断している可能性があります。
一方で、NZドル安にはデメリットもあります。
輸入物価の上昇: NZドル安は、輸入物価を上昇させ、消費者にとっては生活費の負担増に繋がります。
海外からの借入コストの増加: ニュージーランドは海外からの借入が多い国であり、NZドル安は借入コストを増加させます。
総合的に考えると、
ニュージーランド政府は、輸出競争力の向上や観光業の活性化といったメリットを重視し、ある程度のNZドル安を容認している可能性があります。しかし、輸入物価の上昇や海外からの借入コストの増加といったデメリットも考慮し、過度なNZドル安は望んでいないと考えられます。
今後の見通し
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、インフレ抑制を最優先課題を当然に優先事項としています。知っての通り必要であれば利上げを行う姿勢を示してきましたが、ここ最近の経済状態悪化は私が書いてきたとおりです。利下げも年内の予測が出始めています。通貨高にもっていくには厳しい現状です。いいのか悪いのかは解りませんが、インフレ退治時に利上げ論争が出て買われたことが良かったのでしょう。過度なNZドル高は輸出競争力を阻害していたのかもしれません。
口が裂け共、通貨安希望とはいけない大人の事情ですが、これで本当にいいのでしょうかね?
で、通貨安の原因である通貨流通量も調べてみました
まずは私自身の再確認のためマネーサプライとはからです
ニュージーランドのマネーサプライは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が発表しています。
主なマネーサプライ指標
M1: 現金通貨と当座預金の合計
M2: M1 + 投資信託 + その他の預金
M3: M2 + 銀行以外の金融機関の預金
ニュージーランドのM3の現状
閲覧したウェブサイトによると、2024年5月時点のニュージーランドのM3は412,379.00百万ニュージーランドドル(NZD)です。
M3の重要性
M3は、経済活動やインフレ率と密接な関係があります。一般的に、M3の増加は経済活動の活発化やインフレ圧力の高まりを示唆し、減少は経済の停滞やデフレ圧力の高まりを示唆します。
まだ垂れて来ていないので、インフレ退治半ばってことでしょうか?
M2の解説
M2は、M1(現金通貨と当座預金)に、投資信託や定期預金などの比較的流動性の高い金融資産を加えたものです。M1よりも広義のマネーサプライ指標であり、経済全体の資金量を把握する上で重要な指標の一つです。
M2の増加は、一般的に経済活動の活発化を示唆します。企業や個人が投資や消費に積極的になり、資金需要が高まっている可能性があります。
一方、M2の増加はインフレ圧力も高める可能性があります。資金供給量が増えることで、物価が上昇しやすくなるためです。
ニュージーランドのM2の現状
2024年5月時点のニュージーランドのM2は、409,690.00百万ニュージーランドドル(NZD)です。直近では、M2は増加傾向にあり、これはニュージーランド経済の回復を示唆している可能性といいたいのですが、垂れてきているのが解ります。現実は厳しい時期に入りつつあるのかもしれません
ついでにM1も
RBNZ 6/27(なぜかこれだけは本家から(笑))
https://www.rbnz.govt.nz/statistics/series/lending-and-monetary/depository-corporations-money-and-credit-aggregates
5年間の動き
過去5年間、ニュージーランドの広範なマネーは大幅に増加しました。2016年12月には389,594百万ドルだった広範なマネーは、2024年5月には410,217百万ドルに達しました。これは20,623百万ドルの増加です。国内信用も過去5年間で増加しています。2016年12月には579,195百万ドルだった国内信用は、2024年5月には596,596百万ドルに達しました。これは17,401百万ドルの増加です。民間部門信用も過去5年間で増加しています。2016年12月には536,616百万ドルだった民間部門信用は、2024年5月には568,046百万ドルに達しました。これは31,430百万ドルの増加です。
なるほどですね通貨は増えているので、NZDの価値が希薄化しているのですね。アメリカや日本はもっと凄い勢いですが、ニュージーランドもそれなりなんですね
となると、今現在、オセアニア通貨は売られる流れです
中国とは切り離せないくらい輸出で稼いでいる現状
そして輸出で稼いでいるのを考えると、通貨安の方が優位な局面が多いのではないかと思います。
しばらくは売られる要因なのかもしれないですね
今回は通貨安で耐えられるかを確認したくて、今日の貿易というか輸出だけにスポットを当てて考えてみました。
ニュージーランドドルはしばらくの間は売られる局面
かな(笑)
そんな感じです。
あとがき
なんだか重い話題でしたね。もっとポップな感じ書きたいのですが、真剣にまとめてしまった(笑)
こんな記事を出した翌日はなぜかオセアニア通貨が買われる展開になりやすい(笑)。押し目かもしれないですね。ただ、各通貨を見ていると、ちょうど、節目にいるニュージーランドドル。案外反転するかもしれませんが、それは相手側通貨の都合になると思います
以上
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