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小さい頃何になりたかった?

私の大好きなエッセイストの堀井憲一郎さんが、現代ビジネスに「大人からの魔の質問「将来何になりたいか」攻撃に苦しむ子どもたち 無理に答えなくてもかまわない」という記事を書かれています。

「将来何になりたいかと聞かれると、とたんフリーズして、何も考えられないし、考えたことがない。考える意味もわからなかった。
子供のころは聞かれたら、ただ黙っていた。」

https://gendai.media/articles/-/112111

私は幸いなことに、学校でこういう問いをされたことの記憶はありません。まあ、私の子供時代なんて、半世紀前なので、単に憶えていないだけかもしれませんが。
~になるっていうのは、もちろん職業のことでもあり、ウルトラマンになる、ということだったりもするのでしょうが、職業なんて、いつから実感をもって意識できるのでしょうか?

大人になってから、小さい頃何になりたかった?と聞かれると、だいたい「相撲取り」と答えています。半分くらい本気ですが。

ただ、漠然と父がやっていた「東京友禅の職人」(もっと細かく彼らの言葉で言うと「模様師」)になるんだろうと思ってました。
私の周りには、「会社員」という人がほとんどおらず、また、生まれ育った東京の駒込という街は日本有数の商店街のあったところで、同級生の家が商店ということも多く、みんな大人になったら父親の職業を継ぐと思っていたようです。江戸時代かよ。

駒込には大企業の社宅も多く、そういうところの子供も沢山いたとは思うのですが、一定期間、学校にいても、(多分親の転勤に伴って)転校してしまうので、小さい頃からずっと知っている、とはなりませんでした。

結局、私は模様師にもならず、母のしていた学校の教師にもならず、社会人の大半を人事・採用に関わってきました。
これは、そうしたい、と思っていたわけではもちろんなくて、ただ新卒の時の配属がきっかけでした。

今考えると、新卒の時の会社に入ったきっかけは、会社訪問で会った大学の先輩(25年くらい先輩の方)の石油業務部長がメチャ格好良くて、こういう人になりたいと思ったからでした。
当時会社の稼ぎ頭で、アイスホッケー部のOBで。
これって、職業ではなくて、ウルトラマンになりたい、のたぐいですね。

結局、実感をもって職業のことを考えたこともなく社会人になってしまったようです。そんな人間だからこそ、ちゃんと職業について考える大切さを若者に伝えたいと思っているのかな。

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