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長女のこと⑧通常級から支援級への転籍を決めるまで
1年生の夏休み明け、学習についていくことが本当に厳しいなと感じたのは漢字学習が始まってからだ。
同じ漢字で違う読みがあり、画数も段々と増えていく漢字の学習が、こんなに苦しいものだとは思わなかった。
持ち帰るドリルの書き取り学習をやる度に癇癪を起こした。
こんな苦しいことを無理してさせ続けることに、意味があるとは思えなかった。
友達はできた。学校は楽しい。でも学習が辛い。
はっきり学習に関して支援が必要だとわかったなら、それに向けて動くしかない。
何回か私だけで支援級の見学をさせてもらったところ、丁寧な個別指導や温かい関わりは長女に合っていると感じた。
ただこのあと、長女を一緒に見学に連れていくことにかなり苦戦した。
通常学級にいる長女が支援級に見学に行くためには、自分だけ授業を抜け出さなければならない。変に真面目なところがある長女はそれを嫌がった。
そして自分だけ違う環境に連れていかれることに不安があったのだろう。
無理やり連れて行くことには私も抵抗があったし、何度も心が折れそうになった。
支援級への転籍に気が進まないのは長女だけでなく、夫もだった。
「支援級が良いことはわかる。でも、通常学級から隔離された環境になり、今後長女が孤立していくのではないか?」
そんなことはないとは言えなかった。私もそのことは1番の気掛かりだったからだ。
せっかくできた友達が離れていくこと、いじめられること、想像でしかなかったが、迷っているときは悪い想像ばかりしてしまうものだ。
私だけ支援級に行かせようとしていることに気持ちが萎え、この決断は間違っているのかと弱気にもなった。
ただそんなとき、近所に住む親戚と会う機会があり、ふと相談してみることにした。
「子どもに判断を任せるのではなく、こうすることになったよ、と伝えれば良いんじゃない?選択肢が多いと子どもは迷うものだから。」
すとんと腑に落ちた。そう、私は迷っていた判断を長女の責任にしようとしていたのだ。
長女が嫌がっているから転籍はできない、そういうことにして問題を先延ばしにしようとしていた。
でもそれではダメだということはわかっていた。問題を誤魔化しても、あとで辛くなるのは長女だ。
支援級への転籍がベストかはわからない。でも今の時点でのベターではあると思った。
今、目先のことしか見えない長女にその判断をさせるのではなく、先々のことも見据えた大人の判断として長女に伝えようと思った。
覚悟を決めての年越しとなった。冬休み中に長女に伝えることを、自分の冬休み中の宿題とすることにした。